金曜日、婦人科へ行ってきた。
家の近くに不妊治療で有名な病院があって、
行くならそこだと決めていた。
先日やっと重い腰を上げて予約の電話をしたのだ。
子供なんて自分には縁がないと思っていた。
散々親に迷惑をかけてきた私は、
自分のような子供を両親のように育てる自信が持てなかった。
結婚すら自分には無理だと思っていた。
けれど私の悩みを笑い飛ばして受け入れてくれる夫に出会って
3年前に結婚した。
彼の子供なら産んで一緒に育てたいと思った。
子供は未だに授かってない。
2年間夫婦生活を送っても子供が出来ない場合
不妊症の可能性があるらしい。
今年の春、子宮頸がん検診を受けたときに
軽度の子宮奇形であることがわかった。
自然妊娠が不可能なわけではないが、
妊娠はしづらいらしい。
しばらくは落ちこむしかなかった。
不妊治療だって若い頃の自分には他人事だった。
治療でグッタリしている女性を見ても
何故そこまで子供が欲しいのか、
あのころは理解出来なかった。
子供の頃、高齢で結婚したお琴の先生に
可愛い赤ちゃん産んでくださいと言ったことがあった。
その時先生は少し悲しげな顔していた。
近頃では 自分も子供の事を聞かれるようになった。
結婚したての時とは違って、今では
聞かれると妙に腹立たしいし、触れて欲しくないのだ。
その度に先生の事を思い出して申し訳ない気持ちになる。
初めて行ったその婦人科は
自分と同じかもっと若い女性が沢山いた。
通常2時間待ちという人気で
おそらく不妊治療の人が大半なはずだ。
デリケートな問題を扱うせいか
とても丁寧に気負わせない雰囲気を作ってくれる。
鬱々した気分が、終る頃には軽くなった。
これから徐々に検査をしていくらしい。
帰り道、
一人歩きながら思った。
この話を友人に打ち明けることはないなと。
自分の弱さを誰かに見せることが出来ないのだ。
だから本当に悩んでいることは、解決するまでは
誰にも話さない。
昔からずっとそう。
たまにウンザリするほどベッタリな
女の友情というやつに憧れる時もある。
家に帰るとすぐに夫から着信があった。
どうだった?
いつもはそんなに連絡してくる人間ではないから
少し驚いた。
一階に住む大家さんに病院の話をしたら
あんたも一緒に行かなきゃダメじゃない!
と怒られたらしい。
心があったかくなって、ちょっと笑えた。