公的年金のこと、どのくらい知っていますか? | Space

Space

Opened in harvest moon (full moon) of the Mid-Autumn
Since 2013.9.19





いっしょに検証!公的年金/厚生労働省


2018年最新|年金支給額の平均は国民年金5.5万円・厚生年金14.7万円

年金はいくらもえるだろうか。誰もが老後の生活を前に不安に感じることでしょう。

今回は国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)それぞれ平均でいくら支給されているのか、2018年1月26日に厚生労働省より発表があった年金支給額の最新情報をお伝えします。

参照するデータは「平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を活用したいと思います。

2018年度の年金支給額は据え置き

2018年1月26日に厚生労働省は2018年の年金支給額を据え置くと発表がありました。

通常、公的年金は「マクロ経済スライド」と呼ばれる物価や賃金によって毎年変動するものなのですが、2018年は物価が向上したものの、賃金が下がったため据え置きの処置となりました。

ちなみに、2017年は0.1%と引き下げられているので、横ばいで受給できるのは上々の結果だったとも言えるかもしれませんが、物価が上昇しているので実質的に年金の価値は下がったと言えます。

2017年の消費者物価指数と手取り賃金の増減

それでは、「マクロ経済スライド」の基準となる、消費者物価指数と手取り賃金の増減について、実際の動きを確認してみましょう。

消費者物価指数は0.5%の増加となり手取り賃金は0.4%の減少という結果になりました。その際、手取り賃金がマイナスになってしまう場合は、改定しない。と取り決めがありますので、今回は据え置きの処置となったという訳です。

ただし、2016年より法改正された「キャリーオーバー制度」によって、2019年以降の景気が良いタイミングで0.3%の年金支給額の減少を決定することになりました。そのため、今は手取り年金の変化が無いものの、未来へ持ち越したということが言えます。


国民年金(老齢基礎年金)の平均支給額は55,244円

国民年金(老齢基礎年金)の平均支給額は55,244円と調査結果では報告されていますが、支給額上限は年間779,300円になりますので、毎月の支給額は64941円が毎月の上限であることが分かります。

これは40年間の保険料を全額納めた方の支給額になり、実際に支給されている国民年金(老齢基礎年金)の平均支給額とは9,697円乖離していることが分かります。従って年間12万程度老後の収入に差がひらくこととなります。

国民年金(老齢基礎年金)の平均支給額の推移

平成23年度から平成27年度の国民年金(老齢基礎年金)支給額の推移を確認すると減少傾向から一転し平成27年度は上昇していることが分かります。

国民年金(老齢基礎年金)は所得に関係なく保険料納付期間によって支給額が決定することからしっかりと保険料を納めている方が増加していると考えられるでしょう。

厚生年金(老齢厚生年金)の平均支給額は147,872円

続いて厚生年金(老齢厚生年金)の男女平均は147,872円になっています。厚生年金(老齢厚生年金)は納付期間に加えて現役時代の所得も支給額に関連することから男女の差も大きくなっています。

男性の厚生年金(老齢厚生年金)平均支給額は166,120円であることに対して性の厚生年金(老齢厚生年金)平均支給額は102,131円になっています。

独身世帯の老後の生活費は平均156,404円であることから独身女性は公的年金だけの収入では大幅な赤字が発生してしまうことが分かります。

厚生年金(老齢厚生年金)の平均支給額の推移

厚生年金(老齢厚生年金)の平均支給額の推移は残念ながら右肩下りの状態です。

平成23年度には15.2万円の厚生年金(老齢厚生年金)が支給されていたのに対して、平成27年度には14.7万円まで下がっています。金額にしておよそ5千円です。

たった5千円と感じるかもしれませんが、年間6万円、65歳から90歳までの25年間で考えると150万円も差が生まれてしまいます。

世帯構成別の平均年金支給額

次に世帯構成別に公的年金の平均支給額を確認してみましょう。

総務省の家計調査年報から無職の夫婦世帯、独身世帯別の平均年金支給額を確認してみます。このデータに記載されている「社会保障給付」の箇所が平均年金支給額とほぼ同額になるでしょう。

夫婦世帯の年金支給額平均は193,051円

夫婦世帯の平均収入額は212,835円になります。その内、年金支給額の平均は193,051円となり、老後の生活費を引くと毎月54,711円の赤字が発生していることが分かります。

毎月5.4万円も赤字の状態に加え介護費用や葬式費用などを加算すると老後資金が3000万円から5000万円必要と言われる理由が理解できます。夫婦世帯の老後資金の必要額については老後資金の必要額|夫婦二人で5000万円の貯蓄が必要な理由をご参照ください。

独身世帯の年金支給額平均は111,375円

独身世帯の老後の平均収入は120,093円になります。

その内、年金支給額の平均は111,375円となり老後の生活費を引くと毎月36,311円の赤字が発生していることが分かります。ただでさえ老後の生活が赤字の状態であるのにこれ以上、年金支給額が減ってしまうと老後の生活が成り立たなくなるでしょう。

独身世帯の方の老後資金の必要額は老後資金は独身世帯でいくら必要?収入と生活費からシミュレーションをご参照ください。

老後資金の教科書

※Webから