風呂に入ろうとすると脱衣場に気配があった。
家族内ながら一応ノックをしてみる。
帰省していた妹の声が返ってきた。
「3分で出るけー、ちょっと待って!」
文字にすると相変わらず岡山弁は怖い。
仕方なく新聞を広げて待つ。
僅か1分30秒程だった。
ガチャ「お兄ぃ、出たよ」
速い!
女性に対してのイメージが僕にも少なからずある。
3分は言い過ぎにしても、せめて20分くらいは入っていてほしかった。
まぁ妹なのでどうでもいい話だ。
そして風呂に浸かりながら昨日のツイートに繋がる、雷の鳴るなか入浴していて、もし停電したらどうするか?
実は子供の頃一度だけあった。
そのときは親が懐中電灯で照らしながら安否を確認に風呂にやって来たので、そのあとは懐中電灯をセットして入浴を継続した。
もちろん普段とは違う入浴スタイルに感情は浮き足立つ。
こういう感情は大人になっても無くならないものだ。例え今の年齢であっても懐中電灯で風呂にはいるとなれば必ずテンションは上がるだろう。
しかし遇えて電気を消して懐中電灯を持ち込むパターンではそこまでの感情の起伏には繋がりそうにない。
突然の停電で仕方なく懐中電灯を持ち込むのだ。
その為には停電が起こって暗闇のなか一度体を拭き、裸のまま懐中電灯を手探りで探さなければならない。
その時点で一種の興奮状態になれる。
考えただけでも脳内麻薬の分泌が止めどない。
女性のなかにはキャンドルを焚いてアロマテラピーといわれる入浴法をしている方もいらっしゃるようだが、これは懐中電灯に置き換えれば持ち込むパターンだ。
ん?待てよ。急な停電により暗闇のなか懐中電灯で風呂に入るよりロウソクで入る方が脳内麻薬が分泌されるのではないか。
つまり【持ち込み懐中電灯 < 停電による懐中電灯 < 持ち込みアロマキャンドル < 停電によるアロマキャンドル】の構図が成り立つ。
なんと言うことか。
ここまで長々と『持ち込み懐中電灯』の否を声高々に書き込み、『停電による懐中電灯』は快楽の絶頂であると言わんばかりの言い回しが、無惨にも砕け散った。
しかし、ここで少し考えてほしい。
アロマキャンドルで入浴している女性は、懐中電灯入浴の良さを知らずに初めからキャンドル入浴をしているのだ。
これは、懐中電灯入浴を知っている。且つ、アロマキャンドルの方が実は上なのではと気づいた自分の方が経験値は上な気がする。
明日は、せめてもの償いに『持ち込み懐中電灯』で入浴してみよう。