前回の記事(
こちら)で書いた通り、怪我続きの苔毬は痛みや腫れが和らぐまで鎮痛剤を飲んで大人しく寝てたんです。
で、丁度アベマで無料期間中だったのもあって
久々に【霜花店(サンファジョム) 運命、その愛】を見ました。
(無料期間は現在はもう終了しています。)
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霜花店![]()
公式サイト
こちら
高麗末期:恭愍(きょうびん)王の時代(1351年 - 1374年:日本は南北朝時代)を設定としたお話で、ストーリーとかは沢山の方がブログなんかで書いてますし、公式サイトもあるので、そちらを見て頂くとして…
アジアン映画は苦手であまり見ないのですが、これはもう何回見てるんだろう?ってくらい何度も見ちゃう映画なんで、感想~と言うか解釈を気ままに書いておこうかなと思います。
(
ネタバレ注意!)
この映画、過激な描写ばかり話題にされてますが、これ系の映画にしてはストーリーに深さと重さがあって美しさや儚さが残る印象。
(華流には負けますが、高麗~という設定上、韓流にしては衣装や小物類も頑張ってて豪華です。)
苔毬は隠れ腐女子(?)ですが、QAFシリーズを除き、いかにもBL って感じのオトメンが出てくるのとか、壁ドンその他の萌え要素メインでストーリーうっすいのは好きじゃないんで、話題の描写を全て取り払っても映画として成り立つ展開ってだけでも高評価なのですよ。
(現代ものなら見なかったかもしれないけど!
)
ストーリー、とにかく色々切ない![]()
立場的に1番切ないのはチョ・インソン扮するホンニムなんだろうけど、個人的にはチュ・ジンモ扮する恭愍王に切ない一等賞をあげたいです。
(この俳優さん、めっちゃ王様役似合う!)
ちなみに1番好きなシーンは、ホンニムと王妃(ソン.ジヒョ)の同衾2日目後に入る複雑な面持ちの王が1人でコムンゴを奏でているシーン!![]()
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も~、心中色々考えちゃって複雑な感情が渦巻いているんだろうなーと思うと切ない!
野宴で王妃が琵琶を手に歌うシーンの侍女(?)3人のカヤグムによる序奏が解りやすいですが、王やホンニムが奏でるコムンゴ、冒頭やあちこちに入るBGM的な調べはカシリ(帰乎曲)。
(コムンゴは男性の知識人達に好まれた楽器)
映画中に歌詞が出てきますが、個人的には、題名にもなっている曲:霜花店よりもこの映画を解釈する上では重要な鍵なんじゃないかって思います。
(ともに高麗時代からの俗歌らしいですが、確かあのメロディは監督さんか誰かのオリジナルって情報を聞いた気も…)
行ってしまうのですか
私を置いて行ってしまうのですか
あなたなしでは
私は生きていけません
私を置いて
行ってしまうのですか
あなたの腕を取り引き留めようか
あなたは怒って
戻らないかもしれない
愛しい人を見送りましょう
どうか無事お戻りください
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先に書いた苔毬の1番好きなシーンも含め、カシリのメロディが流れたら、その画面上の主人物がこの歌詞の心情~って思いながら見るのをおすすめします。
王妃の弾き語りシーンではカヤグムの音のせいか、フェリーニの映画、サテリコンのハープの音が流れる荒涼とした風景を思い出すんですけどね。
そんなに多用しているんだから「タイトル、カシリでよくない?
」って思いますが、そこは監督さんが、霜花店で歌われている人物は女とは限らない~と言う解釈から作られた映画だそうなので、譲れない部分だったのだと思います。
霜花店は霜花餅を売るお店の事で、映画中でホンニムに霜花餅を作った王妃が語っていますが、元(げん)の国ではこの餅を愛する人にあげる風習があるそうで、バレンタインチョコ的なものなのかもしれません。
さて、
この映画の監督さんや俳優さん達とかのインタビューとかを見ると、キャッチコピーかってくらい皆さん口をそろえたように「色々な愛の形」~て言葉を口にしているんですよ。
これはジェンダーフリーな愛も不倫もまた愛である/こういう愛の形もあるのだと理解してほしい、って事以外に、幾通りにも解釈できるラストの事も言っているのだと苔毬は思うのです。
ラストは微妙に歴史考証され、恭愍王が宦官の手にかかるという史実に基づいた展開、去勢されたホンニムと王の一騎打ちで相打ち的な展開になります。
最初、友を殺され、王妃も殺されたと思って打ち入ったホンニムより強い王が優勢で、ホンニムの剣は折られ、ホンニムの方が王の剣で痛手を負います。
その際、王はとどめを刺す手を止め、ホンニムに問います。
最後に聞きたい
お前は1度でも余に愛情を持ったか?
1度でもいい
余はお前に愛されたことがあるか?
ホンニムの答えは…
ありません
ただの1度も
その言葉に、王が涙目で剣を持つ手を放しかけた時、ホンニムは王の刃で自らを貫いて、王に近づき、折れた剣で王を殺害。
自身も副隊長の手にかかって事切れる…
~ので「ホンニム、お前結局ムリして王様に合わせてたんやな!
」~って思うじゃないですか?
で
す
が、
ここから意味深なシーンがいくつか入ります。
駆け付けた王妃がホンニムの名を叫び駆け寄ろうとしますが、副隊長たちに止められ近づけません。
ホンニムはそれを虫の息でその姿を見つめますが、向きを変え、王の方を見て事切れ、副隊長たちが王が賊に襲われて隊が賊を打ったとして片づける~と言う事を示してから画面がチェンジし、最終的にホンニムと王が馬に乗って楽しそうに狩りをするシーンとなり、王が夢で見て描いた絵(TOP画)に重なって終わります。
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王様の描いた夢の絵~もまた、重要な小道具で、映画の半ばくらいで描いているシーンがあり、後半、王が意味深にこの絵を見つめるシーンや、ホンニムが乗り込んでからはこの絵を切るシーンもあります。
(この絵は恭愍王が書いたとされる実在の絵を再現したものだそう。)
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ホンニムの言葉が本心なら必要ないラストの夢の狩りシーン…
それが何故入るのか…?
仮にホンニムの最後の言葉が本心だったとしたら、もし王が生きてたら王妃の命がまたやばいことになるから王が確実に死んだか確認した~ってのも考えられます。
その場合、最後の狩場のシーンは王様が死に際まで夢見ていた夢/王の死に際の走馬燈のようなもので、それは夢でしかなく終わった~という暗示とも解釈できます。
でも、王はホンニムより先に事切れているので、ここで王の心情風景が入るのは違和感がなきにしもあらず。
ではホンニムの心情風景かと考えると、戦い中の状況でもホンニムを許す機会を与える王に対し、ホンニムが
「もう遅い、終わらせましょう。」
と言う場面がありますので、ホンニムは全てを終わらせるために嘘をついたという解釈も出来ます。
(ここで「あなたも好きでした/前は好きでした」~とか言っちゃうと、あの王様なら絶対ホンニムを許しちゃう+王妃イラネ+完全排除になると思う)
もしくは、王妃が生きていたことを知ったホンニムが、王を殺めてしまった事への後悔の暗示。
もう元の関係には戻れない王がもしかしたら最初から自分の手にかかる事・自分を手にかける事を望んで友をさらし首&王妃の死も匂わせてまで自分を引き寄せたのに気付いた/自分(ホンニム)の子を孕んだ王妃を殺められなかった王の愛の形に気付いた。
~等々の事から、死にゆく王が寂しくないように、私もすぐ一緒に行きます、あの世ではあなたが見たあの夢の絵のように狩りに出かけましょう~みたいな忠義的な愛情の象徴やあの世での和解とも取れる。
アベマの日本語版ではカットされていた気がするシーン(ホンニムの死から王との2人で狩りのシーンの間にチビホンニムと若い王の語らいシーンが入る)を見ると、むしろ、ここから物語は始まったんだがああ無常!的な解釈もできる。
~って言う、見方次第で色々な解釈ができる作りになっています。
(ホンニム、王妃、王の3人の内、誰に感情移入するかで変わる感じ。)
エンディングに流れるのが切なさを醸し出すのに効果的なカシリではなく、王が宴会で歌った霜花店なのも、「どうぞお好きな解釈で~」という演出なのかなと感じました。
最後に…
これまた解釈色々、もしくは意味が謎とされている意味深な言葉で正確な言い回しは忘れたのですが、映画が後半に差し掛かった頃、王妃との密会がバレたホンニムに王が「お前は命より大切な物を失った」~みたいな事を言うのです。
苔毬的には、それは信頼だと思います。
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