スーパーに、捨て子して来ちゃいました。


猫ではありません。


空のペットボトル、二袋です。




いつも行くスーパーの入口付近に、ペットボトルの自動回収機があります。


空のペットボトルを投入し、回収されたペットボトルは、その数により、


リサイクルポイントとして、電子マネーのカードにチャージになります。


ポイント稼ぎを楽しみながら、リサイクルということですか。



町内でのペットボトルをゴミ出しする時は、


透明な袋に入れて、出さなければならない。


今は、飲み水すら買って、飲む時代。


ミネラルウォーターに、烏龍茶、麦茶と、空のペットボトルで


大きなビニール袋もすぐ一杯になります。


気を付けていないと、


月に何度しかやって来ない、その日を、つい逃してしまいます。



それがめんどくさいので、ペットボトルは、


スーパに買物に行ったついでに、自動回収機に出すのが習慣になっています。


今日は、珍しく回収機の前に列が出来ていました。


せっかちで、待つのが何より嫌いな私は、一瞬迷いました。


今日はやめておこうか。


でも、ペットボトルの袋を持って、車に戻るのも面倒くさい。


後を振り向くと、


私の後ろに並んでいるのは、若いお兄さん。


アレは、出来ないなあ、と思った。


おばちゃんだったら、大歓迎されるんだけれど。


それは、私のペットボトルをお譲りする事。


前に、「お願いできませんか」と、ペットボトルを見知らぬおばちゃんに、託した事があった。


タダではない。


いささかでも、私の持ってきたペットボトルを自分のポイントとして換算されれば、迷惑な話ではないぞ。


日中、大量のペットボトルを持って、


スーパーの回収機の前をうろうろしている人に、忙しい人は、そうそういない。


前回は、喜んで引き受けて頂いた。


但し、おばちゃん。



見知らぬ人から、お願いなんて言われたら、


人生の機微なんてまだ知らぬ、


今時の若い人、


「ハァー?」


「何言ってんだ、このババァ」


なんて、目をひんむいて、言われそうで、さすがにやめた。


買物を終わったら、その後でいいかと、


ペットボトルの入った袋を、いったん回収機の脇にそっと置いた。




今日は、お目当ての品物の特売日でもあり、


私は珍しく、熱心な買い物をしました。


それに、やっぱり特売のアイスや冷凍品を、


わんさか買い込んでしまった。



だが、なんとした事だろう、私としたことが。


いつもなら、動物的な勘で的確に判断するのですが。


並ぶレジを間違えたか、


レジ打ちの動作が、


いまいちドンくさくて、はかどらない、おねえさんの所にハマってしまい、


時間を取ってしまった。



冷凍品は、保冷バッグに入れていても、油断はならない。


外の気温は、グングン来ている。


マズイ。


早く帰らねば、早く帰らねば、の言葉が、


頭の中を呪文のように駆け巡る。


大人だったら、


何を優先すべきか。


仕方がない。


現場を見ないふりをして、通り過ぎる。



ペットボトル、


捨て子、して来ました。