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妄想電話の作り方。

「誰かの人生を変えてしまうような気づきを与えたい」そんな思いで書いています。記事がたまったら電子書籍化して、AppStoreに出す予定です。

1番最初の妄想電話収録の日。
僕は渋谷の会議室に、友人の女の子を呼びました。


妄想電話を使ったことがある方は分かるかもしれませんが、「岡部美優」という女の子で、僕と同じ大学生です。
恋バナが好きで、頭も良いので、妄想電話の可能性を広げてくれる気がしたのです。

「プロトタイプを作りたい」ってカッコよさげな言葉を使ったら、予定をあけてくれました!


まずは一緒に妄想電話の台本を考えていきます。

一般的に、収録をする際には前もって台本を書いていくと思いますが、妄想電話の場合はそれをしません。なぜなら、前もって作られた台本を読むと、どうしても棒読みになってしまうからです。

また、電話の内容も、実際の彼氏との電話や、過去の体験をヒアリングして、それを基に決めています。

全ては「よりリアルな電話にするため」です。


一番最初にできた台本は、こんな感じです。


もしもし?いま忙しい?

(ん?別に?)

ねぇ...会いたいなぁ。

(なんだよ急に!笑)

だって会いたくなっちゃったんだもん。

(じゃあうちおいで。)

ほんと?
じゃあすぐいくね!えへへ(照)

(おう、待ってるわ。)

うん。またあとでね。



カッコの中身の男性の台詞は、読まれることの無いのですが、これも書くようにしています。
そう、電話をリアルにするためです。
男性の台詞も書く事で、女の子の台詞が自然な会話になり、また、収録の際も女の子が間をとりやすくなります。


台本ができたら収録をするのですが、いざ収録をしようとするとなると、女の子はかなり恥ずかしくなります。
本気で、振り切ってやってもらうために、台本と、収録に使うiPhoneだけを置いて、僕は部屋の外に出て一服しています。


女の子が部屋からでてきたら、iPhoneを受け取り、収録した妄想電話を再生してみます。

「すごい...いつもの声と全然違う...」

女の子が彼氏と電話をするときに声が可愛くなる、まさにあの感じでした。


妄想電話では、恋人との電話ならではのSweetな感じを表現したかったので、岡部美優は完璧にその狙いを体現してくれたのです。

後から聞いたのですが、ベッドの中での電話に近づけるため、横になって収録をするそうです。なんというプロ意識・・・美優△


1人の天才妄想女子大生によって、妄想電話はまた一歩、完成に近づきました。
2010年12月、都内某所。僕は興奮しながら、友人のかわいい女の子に電話していました。

「今日ちょっと時間とれないかな?ちょっとでいいんだけど・・・」

べつに下心があったわけじゃありません。
妄想電話のプロトタイプを作るために、収録のお願いをしようとしていたのです。
(プロトタイプっていうのは、「試作品」をカッコつけて言った言葉です。)



「ひたすら女の子から電話がかかってくるアプリを作ろう。」
そう考えたのは、前の日の夜です。

その夜も、僕はいつものようにベットに寝転がりながら、iPhoneをいじっていました。
いつものようにTwitterを見て、mixiを見て、やる事がなくなって...。

ふと、メールのアイコンを見ると、そこに「3」という数字が書いてありました。

メールが3件も?僕に?
誰からだろうという期待に胸を膨らませてアイコンを押すと、

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全部メルマガ(笑)
自分が人気者だと思った一瞬を返してほしいです。


「これが全部女の子からのメールだったらなぁ。」


....そう、これが妄想電話の始まりです。

「ひたすら女の子から電話がきて、みんなから口々に「好き」って言われたら面白いはず!」
とか、
「携帯のバイブがなる瞬間って心が踊るよなぁ」
とか、
「友達の前だとしっかりしてる彼女が、電話だと甘えてくるの、好きだったなぁ。」
とか、
いろんな思いが重なり、楽しいアプリになる気がしました。



また、AppStoreの上位にネタアプリがたくさんランクインしていることや、アプリ紹介サイト「Appbank」が、面白いネタアプリをテレビで紹介していたことから、マーケティング的にもうまくいきそうだと確信しました。


さらに、妄想電話の音声は、声優さんが高価なスタジオで収録するよりも、素人の女の子が、部屋や道ばたで収録した方がよりリアルなものになるので、コストが全くかからないというメリットもありました。電話なので音質も汚くても問題ないし、逆に多少雑音が入っていたり、セリフもかんでもいいくらいです。

そして、多少専門的な内容になりますが、妄想電話はサーバーと通信をする必要がなく、アプリの開発の負担もかなり少ないのです!
これなら素人へなちょこプログラマーの僕にも作れる!


企画の内容も、マーケティングも、実現性もカンペキ!

その夜、徹夜で狂ったようにプログラミングをし、イラレで画像を作り、一晩でプロトタイプを完成させました。
(プロトタイプっていうのは、「試作品」をカッコつけて言った言葉です。)
妄想電話というスマートフォンアプリをご存知でしょうか。

「ただひたすら、女の子から電話がかかってくるアプリ(笑)」

妄想電話を説明するとき、僕はこう言っています。


2011年に最も多くメディアで紹介されたアプリでもあると思います。
「王様のブランチ」「メレンゲの気持ち」「ズームイン!!」その他10個以上のテレビ番組や、「メンズノンノ」「メンズナックル」などの雑誌やフリーペーパー、Yahooニュースやオリコンなど多くのウェブメディアに取り上げていただきました。
「メディアに取り上げられたからすごい」というのは違うと思っていますが、なかなかヒットしたアプリといえるでしょう。


そしてこの「妄想電話」は、1人の学生が、1週間で、1人で作ったアプリなのです。

「え?どっかの会社が作ったんじゃないの?」
「マジで?もっと大人が作ったんだと思ってた!」
「え?てか1週間?早っ!!」

そういったリアクションをしていただけると、この後すごくやりやすいです。


妄想電話は、「たくさんの人に使われるものを創りたい」「たくさんの人の人生の1ページを作りたい」という思いで作り、実際多くの方に楽しんでいただけています。しかし、正直、誰かの人生を変えるまでには至っていないです。

(妄想電話を使って人生が変わった方がいたとしたら、それは何かおかしな方向にいってしまった気がします。大変申し訳ありません。)

なので、この本を通して、誰かに、何かきっかけを与えられればと思っています。

「学生でも世の中にインパクトを与えられるんだ!」「ウェブ業界って面白い!」などちょっとした気づきを与えられればうれしいですし、人生を変えられれば、もうほんまに本望です。