本『年上の女性』をはじめから読む → scene1


それから彼は、小さな子でも乗れそうな、

私にでも乗れそうな乗り物に誘ってくれる。


ベンチで休憩した時、

彼は、飲み物を買ってきます。と、

少し離れた売店まで、ゆっくり走って行く。


売店の少し手前で立ち止まり、くるりとこちらに引き返してくる。

さっきよりスピードをあげて。

走って戻ってきた彼。

「アイスクリーム、食べますか?」

一瞬、止まった私。

アハハと声を上げて笑ってしまった。

キョトンとする彼。

ケラケラ笑う私を、何故、笑うのか、わからない様子。



かわいい。



「なんで笑うんですか?」

そう言いながら、少し口を尖らせるが、目は優しく笑っている。

「ごめん・・ごめんね・・食べる。食べたい」

「じゃあ、またちょっと行ってきます」

微笑みながら、走り出していた。


さらにスピードをあげて。


器用に、右手に紙コップ二つ、

左手にアイスクリームを一つを持って、戻ってくる。

迎えに行って、アイスクリームと紙コップ一つを受け取る。

私の左手に紙コップ、右手にアイスクリーム。

彼はそんな私を見て、突然、吹き出した。

キョトンとする私。

ケラケラ笑う彼。

「何?」

「洋子さん・・食いしん坊の子供みたい」

再びケラケラ笑い出す。

「ひどーい」

口を尖らせ、拗ねる私。

目はきっと笑っている。

「ごめん・・ごめんなさい」笑いながら言う彼に、つられて私も笑った。



楽しい。



とっても楽しい。



私、はしゃいでいる。



彼も、はしゃいでいる。



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