わかりきったさよならさえ怖いほど

もう引き返せないところまで来ていた

眠らない東京 見下ろす午前2


言葉とは裏腹な 繊細な指先で

髪を結う君の尊さに 僕は恋をした

 

諦めたことがありすぎて

今でも絆創膏が剥がせなくなっていた

眠らない僕ら 掻曇る午前4


言葉とは裏腹に 繊細な指先が

髪を結う朝の尊さと 僕は生きていた


君の肩の濡れること、

君のだって分かる足音、

額に汗の伝うこと、

朝陽に溶ける掠れた寝言


「わかりきったさよならさえ怖いほど

もう引き返せないところまで来ていた」、

「諦めたことがありすぎて

今でも絆創膏が剥がせなくなっていた」


落としたものを拾うほど、

殺した息で歌うほど、

わかりきった傷跡の、

その全ての愛おしいこと


朝陽に溶ける掠れた寝言






2023.05


何か大切なものがあるとすれば

間違いなく僕は、君がそうだ

ひとり何かひとつしか持てないとすれば

間違いなく僕は、君の手を?

離したんだなあ、本当の話だ

「先は長い」なんてことない

特急列車に乗ったから 早く着いたんだ

まあもう泣くほどではないが


理解とか、妥協とか、

そんなもんなしに抱きしめるとか、

僕らそういうんじゃなくて

今日のこの後の温もり

春を待っていただけ


好きだとか、会いたいとか、

黙って見つめ合ってどうとか、

僕はそういうんじゃなくて

明日の明後日の「おはよう」

それを待っていただけ

君を待っていただけなのに


駅のホーム

見送って 僕は 君を


何か大切なものがあるとすれば

間違いなく君は、君がそうだ

ひとり何かひとつしか持てないとすれば

間違いなく君は、僕の手を

離したんだなあ、当然の話だ

よく知ってるなんてことない

各駅停車にわざと揺られてたあの日は

ふたりのことだけが大切でよかった


好きだとか、会いたいとか、

愛おしい分だけ名前を呼ぶとか、

君を好きな僕のこと


理解とか、妥協とか、

そんなもんわかってずっと君を見ていた

好きだった?僕のこと

明日も、明後日も

変わらないことが君は良かったんだろうな

遅れたって、待ってる人がいる 季節みたいに


駅のホーム見送って 僕は 君と 君を



こんなのは今だけだと
僕が特別なんてことはないと
君に言われるまでは、耳を塞いでたい
こんなのは初めてだよ
時々ひらりと葉が落ちるけれど
色褪せないまま
今日も息をする

明日生きるための理由も
変わらないまま、ひとり大人になった
思い出は綺麗だって
そう思える日は来ないかな

君が最期に思い出すのは
僕の顔でも声でも
あの日のわがままでもない
雨に降られると濡れるみたいに
当たり前だよな、そんな週末だ

こんなのは嫌いだと
僕は特別なんだと目を逸らして
君と会わない明日を選ぼうとしたり
君が最期に思い出すのは
僕との写真でも繋いだ手のぬくもりでもない
あの日の雨は今もまだ
僕の中の緑を潤している

どうして今でもこうやって
君に会いたい季節を生きて
君の目を見れない僕のこと
知ったように わかったように
そんなふうに言う

君が最期に思い出すのは
僕の顔でも声でも
あの日のわがままでもない
雨に降られると濡れるみたいに
当たり前だよな、そんな週末だ

君が最期に思い出すのが
僕の顔なら声なら
あの日のわがままならいい
雨に降られると濡れるみたいに
当たり前に、君に会えたらいい
そんなしゅうまつだ

僕の理想像、触れられない夢
重い扉に鍵をかけて見ないフリをしていた
成功することが全てと
誰からも教わっていないけれども
それでも、
なんのため誰のために走り続けるのか?
鈍色の中に生きる夢を吐く人
太陽が西からのぼったとしても
変わらないものを抱きしめて
地球が丸く無くなって
あの星が見えなくなっても
変わらないものを探して
 
僕の理想郷、交差する視線
それだけで眩暈がする、放っておいてくれ
見ないフリをしていた
成功すれば幸せと
誰からも教わっていないけれども
それでも、
なんのため誰のために息し続けるのか?
鈍色の中に生きる夢を吐く人
太陽が冷たくなって春が来ないとしても
変わらないものを抱きしめて
地球が廻らなくなって
あの夜が思い出せなくなっても
変わらないものを探して

僕ら誰のものでもなくて
別にもうやめたってよくて
痛くて、苦しくて、独りだって泣いた
それでも、
ひたすらに追いかける そうして生きている
鈍色の中に生きる夢を語る人

太陽が西からのぼったとしても
変わらないものを抱きしめて
地球が丸く無くなって
あの星が見えなくなっても
変わらないものを探して

今にも溶けて消えそうな糸が
必死につなぎ止めようとする
僕らの心臓
「そばにいて」 音の波は
糸電話の途中 途切れて届かない
誰を欲しがっても 誰に寄り添っても
変わらないのは一人じゃ生きられないこと
でも寂しい明日より 傷つく今日が怖い
命が短くなる中で
もう叶わない願いを想いを 僕は忘れない
だって脳裏に焼き付いたすべては僕の命そのもの

いたずらに踊る 火の花を散らし
大きくきってこそ混ざり合う
僕らの心臓
ここにいた確かな跡を新しい何かで隠そうとしている
苦しみから逃げては幸せごと壊した
わかってるのは一人じゃ生きられないこと
でも切りすぎた前髪も 後悔しないなあ
命が短くなる中で
もう離せない何かを誰かをきっと見つける
だってこの目に映し出す光は僕の命そのもの

命が短くなる中でもう叶わない
願いを想いを僕は忘れない
だって脳裏に焼き付いたすべては僕の命そのもの

今にも溶けて消えそうな糸が
必死につなぎ止めようとする
僕らの心臓
命ある限り僕は何より強く生きて、
君のそばにいる