- 東北新社
- ロスト・イン・トランスレーション
★★★★☆
LOST IN TRANSLATION(102分)
監督: ソフィア・コッポラ
製作: ソフィア・コッポラ、ロス・カッツ
製作総指揮: フランシス・フォード・コッポラ、フレッド・ルース
脚本: ソフィア・コッポラ
撮影: ランス・アコード
プロダクションデザイン: K・K・バレット、アン・ロス
編集: サラ・フラック
音楽: ブライアン・レイツェル、ケヴィン・シールズ
出演: ビル・マーレイ・・・ボブ・ハリス(ハリウッド俳優)
スカーレット・ヨハンソン・・・シャーロット(ジョンの妻)
ジョヴァンニ・リビシ・・・ジョン(シャーロットの夫、カメラマン)
アンナ・ファリス・・・ケリー(ハリウッド女優)
マシュー南・・・マシュー南(日本の番組の司会者)
田所豊・・・CMディレクター
林文浩・・・チャーリー(シャーロットの友人)
竹下明子・・・カワサキ(通訳)
HIROMIX
藤原ヒロシ
◆ストーリー◆
CM撮影のために東京にやってきたハリウッドの俳優ボブ・ハリス。
カメラマンである夫に同行してきた若妻シャーロット。
2人は滞在先のホテルで出会い、言葉を交わすようになる。
異国の地で孤独を感じていた2人は、意気投合し、夜の東京を彷徨う。
◆感想◆
まず、カメラマンの夫についてきた若妻シャーロットの役がスカーレット・ヨハンソンだとしばらく気付かなかった。
スカーレット・ヨハンソンって”世界一セクシーな女性”に選ばれた人ですよね?!
この映画の中ではちょっとぽっちゃりした普通のオネエさんって感じでした。
新婚なのに夫にかまってもらえず、異国の地で孤独を感じているシャーロット。
息子の誕生日なのにCM撮影のために日本へやってきたハリウッド俳優のボブ・ハリス。
妻に電話をかけると、カーペットの色を何色にするかって話に夢中で、カーペットの色のサンプルまでホテルに送ってきたりして、ボブもまたシャルロットと同様、孤独を感じていた。
そんな2人がホテルのバーで出会い、シャーロットの夫が福岡に出張している間、シャーロットとボブは、たびたび行動を共にする。
かといって、不倫関係になるのではない。
孤独感・疎外感という共通の感情から、2人は、お互いに理解し合い友情が芽生える。
ボブは、サントリーのCM撮影で日本を訪れたという設定で、CM撮影の現場で、ディレクターがボブに日本語で色々と注文するわけです。
ちょっと嫌味っぽい、きついことも言うわけですが(「山崎(ウィスキー)って高いんだからさぁ。」みたいな。)、通訳は、「振り向いて、カメラを見てください。」っていうことしか言わない。
「本当にそれだけ?もっと喋ってたような気がするけど・・・」なんてボブは通訳に言うんだけど、それでも通訳は、面倒くさいところは省いて通訳するんですよね。まさに「Lost in translation」な状態になるわけです。
サントリーといえば、今、缶コーヒーのCMでトミー・リー・ジョーンズが出てますけど(あのシリーズ、大好き♪)、この映画の通訳の部分は、誇張されてるにしても、やっぱり、日本って英語もほとんど通じないし、文化や国民性も違うし、ボブ・ハリスと同じような思いをしてるんでしょうかね?!
この作品は、ソフィア・コッポラ監督が自身の東京での経験を下敷きにしているらしい。
確かに日本って外国人から見たら不思議なことが多いんだろうなって思います。
スーツ着たサラリーマンが通勤電車の中でHな漫画読んでたり、カラオケ、パチンコ屋、生け花、そして、「L」と「R」の発音がへたくそだったり・・・
この「L」と「R」の発音に関して言えば、面白いシーンがあります。
ボブのホテルの部屋に日本の広報担当の人?が気を利かせて、女性マッサージ師(若干SMちっくな・・・)を送り込む。
そして、そのマッサージ師が部屋に入るやいなや「RIP(リップ) my stockings!」って言うんだけど、これが通じない。
ripがlipに聞こえるので、ボブは、「何?LIP(リップ)?唇がどうした。」って興奮気味のマッサージ師に尋ねる。
このシーンのマッサージ師役の女優さん(明日香七穂)があまりにもオーバーアクションで大笑い。(特に最後のカット。)
そして、あるとき、シャーロットがボブに尋ねる。「どうして日本人は、LとRの発音が苦手なの?」、するとボブが「わざとだよ。」・・・皮肉なのか日本人への思いやりなのか(苦笑)
ステレオタイプの日本ではなく、外国人から見た素朴な疑問が詰まってるからまた面白い。
シャーロットとボブがしゃぶしゃぶ屋に行くシーンで、お肉が並んでいるメニュー表を見てシャーロットが「違いがわからない・・・」って言うんですよね。
確かに。
日本語で和牛とか黒毛和牛とか○○牛とか書いてるのかもしれないけど、そんなこと外国人にはわからないもんね。
そして、しゃぶしゃぶ屋を出たあとに、ボブが一言、「自分で料理させるなんて、ひどい店だ!」。・・・なるほど。
足が腫れてるというシャーロットをボブが病院に連れて行くんだけど、病院の受付のおじさんとか、医師とか日本語onlyでぜんぜん意思疎通ができてるとは思えないんだけど、無事、レントゲンを受けて検査結果を聞いて帰ってくるのが可笑しい。
待合室で、ボブに話しかけたおばあさんが、ジェスチャーでボブと話そうとしてるのがかわいかった。
あと、ボブが出演した日本の番組の司会者マシュー南(藤井隆)に色んな意味で拍手。
日本人があんなハイテンションの人ばっかりだと思われたら困りますけど、ハリウッドスター相手にあんなにハジけた演技ができるなんて・・・(ちょっと恥ずかしくなったりしましたが。)
ところで、アメリカの「ロスト・イン・トランスレーション」のサイトを見たら、一瞬???っていう日本語(ひらがな)が・・・
「もしもし」とか「すれちがい」はわかるんだけど、「しあんにふける」「ほうやく」っていう文字が出てくる画面があって、一瞬そんな言葉使う?って思いましたが・・・「思案にふける」「邦訳」って意味なんでしょうか?(ですよねぇ。)
ひらがなで書くとなんか変な感じ。
日本人の私としては、興味深く観られた映画なんですが、ストーリー的には絶賛するほどではなかったかも。(面白いシーンは多々あったけど。)
アメリカでは、評価が高いようですね。
異国の地で孤独を感じたことのある方、外国人から見た日本の不思議に興味がある方にオススメです。
(でも、スパッと結論が出るような映画ではないと思う。ラスト、結局どうなったの?って感じだし。)
おまけ。
<トリビア>
・渋谷のシーンは、スターバックスの2Fの窓から撮影したらしい。
・ボブとシャーロットが宿泊しているホテルは「パークハイアット東京」。
・サントリーのCMには、以前(1970年代)、ソフィア・コッポラの父フランシス・フォード・コッポラと黒澤明が出演していて(私は覚えてないんだけど。)そこからヒントを得たらしい。
・チャーリー・ブラウン役の林文浩氏は、ソフィア・コッポラの本物の東京の友人らしい。







