あれは2017年の夏頃。
同年春にバセドウ氏病を患った私は、生産性がなくなった自分に絶望し、でも役に立たないことに惹かれながらも、やっぱり何かの役に立たないと保てない自分の存在に鬱々としていました。
そんな時、これまでの人生美術館など行ったことのない私が、ふとfacebookで目に留まったアール・ブリュット展なるものにふら〜と行ったのです。
そこで見た鉛筆で描かれたような黒い線や点々の絵の前で、立ち尽くしてしまいました。
最初の印象は、
「え、どういうこと?」でした。
なんだか私の想像していた"絵"ではなかったのです。
そして、題名を見ても無題。
何の絵かわからない。
何を伝えたいのかわからない。
作者の意図がわからない。
えーーーーーという感じでした。
でもその、えーーーーーという感じを過ぎると、だんだんと嬉しくなってきたのです。
なんとも言えない自由さを感じました。
絵の外に広がっていくような自由さ。
制限のない自由さ。
え、こんなんで良いのか、という衝撃。
とにかくなんだかいきいきしているのだけが伝わってくる。
そう思うと、自分の中の生命力をぶわっと感じたのです。
そこに自分が強く惹かれるのを感じました。