セキセイインコに手にのってもらうには | 清水あきら@セキセイインコと暮らす

清水あきら@セキセイインコと暮らす

セキセイインコについての知ってほしいことやただ単に私の関心あることや記録として残していきたいことを書きます。

セキセイインコを飼育するうえで、手に乗せたり肩に乗せたいと思うのは当然のことと思います。私はそうでした。お迎えしたばかりのぴよたんとすぐに遊びたい、手に乗せたい、と思っていましたが、実際には購入したときの小箱から顔を覗かせるのに20分。出てきても小箱の前でじっとしており、とてもじゃないですが、近づいたり、ましてや触ることなどできない状況でした。

 

自分よりもはるかに大きな私と妻。見慣れぬ場所。

家族として迎えたのは飼い主というだけで、セキセイインコにとってみればあんたたち誰よという感じで、とてもじゃないですが家族なんてもってのほかで友人としてさえ認知してもらっていない、という段階です。

 

今回はセキセイインコが手に触れるということについて知っていただくことで、セキセイインコとの適切な距離感を学んでいただきたいと思っています。

この問題に対して真摯に見つめていくことができれば、本当のところ雛だろうが若鳥だろうが老鳥だろうが、手にのってもらうことは可能だと考えています。

 

スキンシップの方法

セキセイインコはとても好奇心旺盛ですが、同時に臆病な性格でもあります。

なかにはお迎えしたときからすぐに飼い主に興味を持ってくれる個体もいるとは思いますが、おそらくははじめ、飼い主を警戒していることがほとんどかと思います。

 

それも当然のことで、私たちには接点がない。

 

少なくともセキセイインコにとってみれば誰ですのん?となっている段階であるにも関わらず、飛ぶことも許されない状況下にあり、つまりなにがいいたいかというとたとえどんな気持ちであってもセキセイインコが逃げられる環境にないということです。

 

私たちはその気になれば、お迎えしたセキセイインコを手に乗せることもできるし頭にのせることもできる。なんだったら握ってしまうことだってできるでしょう。

 

ただそこにセキセイインコの意思がなく、すべての状況は飼い主に委ねられています。

新しい環境に望まぬ形でやってきたセキセイインコの状況、立場になって考えてあげることができれば、必要以上に触ることをしてはならないと気づくことができるはずです。

 

私がお迎えしたときは以下のことを守っていました。

もちろん性格は個体によって違うので必ずしも同じようにする必要もないとは思いますが、一旦どのように接して良いかわからないという方や、警戒心が強い子かなと思った方は、参考にしていただけることと思います。

 

・ケージに入れて数日はそっとしておく

・餌を手から与えない

・ケージに手を入れない

・放鳥しようとしない

 

ぴよたんはとにかく警戒心が強く、1ヶ月は全く鳴きませんでした。近づくと反対方向の止まり木に移動してとにかく私と妻を遠ざけようとしておりました。

 

今ではケージから出すと必ず私か妻のいるところに飛んでいき、逆にほかの場所に行くことが全くありませんが、当時のことを思い出すと、あれだけ警戒心の強かった子がここまで慣れてくれたのはこの4つの項目ができていたからではないかと考えております。

 

なかでもとくに注意したいのは、ケージに手を入れてしまうことです。これをしてしまうとセキセイインコの逃げ場を完全に奪ってしまうことになると考えておりましたので、いかにコミュニケーションを取りたいと思っても1度もケージのなかに手を入れませんでした。

嫌なとき、怖いときに逃げられる場所があることは、なにもセキセイインコに限った話ではなく私たちにも必要なものです。とにかく慣れない環境で安心できる場所を作ってあげることが一番大切です。

 

セキセイインコは体調や感情、伝えたいことを体で表現する動物です。

環境に慣れてくればあちこちケージの中を確かめるように移動するようになります。

近づいても遠ざけようとしなくなります。

その様子が確認できれば近づいて話しかけたり、餌をあげてみたりしても大丈夫かと思います。

 

以上のことも問題なくできるようになれば下の3つの項目をチャレンジしてみてください。

 

・放鳥(ケージは床に置いてください)

・餌を手で介して与えてみる。

・話しかける

 

まだ手のりになるには時間がかかります。けれどもこれまで書いたような距離感を大切にしてこられたのであれば、セキセイインコの飼い主や環境に対する不安をある程度まで解消してあげられていると思います。

 

けして自分から手に乗せるのではなく、乗ってくれるのを待つことが大切です。

外に出たいという合図はケージに張りつく動作をするので、そうなれば出してあげてください。ただ注意してほしいのは、ちゃんと上手く飛べるかわからないので、落鳥することも考えられます。必ず床に置いてからケージを開けてください。

 

まとめ

セキセイインコを購入するときには雛か若鳥かのどちらかを選択することと思います。

当然雛から育てたほうが手のりする可能性が高いと言われますが、若鳥でも全然手にのってくれるようになります。これらの共通点は、どちらも飼い主が信頼するに足るか、ということで、手が単純に怖いとか怖くないうんぬんの話をしているわけではなく、飼い主との信頼関係を気づくことが重要だということをわかっていただければ幸いです。

ぴよたんはある日突然、ケージを開けるとぱたぱた私の肩にまっすぐ飛んできて、指を近づけると頬ずりしてくれました。私はそれがとても嬉しかったし、今でも大切にしている思い出です。特別手に慣れさせたわけでもありませんし、手にのるかどうか、頭にのるかどうか、肩に止まるかどうかの判断はセキセイインコに任せてあげてください。