中学に入ってすぐに数学が出来なくなった。
「-」と「-」の掛け算がどうして「+」になるのか全く理解が出来ない。
英語もダメだった。なぜ「He」や「She」だと「do」が「does」になるのかが判らない。
どうにも自分は頭ごなしに教わる躾のような教育が苦手であるらしい。
さらに困ったのは、中学1年生の時、非常に涙もろくなってしまったことである。想像力を働かせすぎなのか、中学校の環境に適応できなかったのか、良く分からないが大変困る事態だ。
そうして周りから孤立していく。
中学校生活の前半は最悪だった。
中学校での生活は小学校とは違いストレスが大きかった。まず制服を着なければならない。当時の男子はまだ詰襟が主流で、首元が窮屈であるだけでなく襟の形を整えるためのプラスチック製のカラーが付くのでより堅苦しい。そうして詰襟というのは寒い北国で適当とされた衣裳だ。高温多湿の日本ではその着用が適当な季節はせいぜい4か月位しかない。そうして頭髪についても煩く言われた。学校の先生も小学校と比べると品位が落ちる人が多く、言うことも杓子定規。頭髪に関して言えば当時話題になっていたアイドルと比較して「君たちは彼らとは違うのだから」と見当違いの説教を始める。生活指導と称して竹刀を持って担当以外の教室を回るものもいた。今考えると教師側のストレスの発散のための仕組みではないのかと勘ぐらざるを得ない。そうして高等学校への入試が迫ってくる。成績だけではなく生活態度まで評価の対象になるものだからそれを気にするものもいた。
馬鹿馬鹿しいとしか思えない。
この頃に自分の通奏低音的な感情である「ダウナー」気質が定着したみたいだ。
しかし3年次になると受験のためにそれほど騒々しい何かもなくなって行き、フリクションも減ったが、私にとっては別の頭の痛い問題から逃れられなかった。
それは女子の存在である。
