以下の話は「PG12」でお願いされたく…

 人から性的な文句を吐きかけられることは明らかにセクシャルハラスメントだろうが、自分の子供の頃はそれほど深刻に受け止められていなかったのではないかと思う。男子でそれをやられて恥ずかしがるのは恥ずかしがる方がおかしいみたいな風潮であった。

 小学校中学年頃に家の前で一人遊びしていたら道路を挟んだ向かいの集合住宅の上から

「ちんちんブラブラおおはずれー」

と、大体同年齢の子から言われたことがあった。自分に対するこの手の悪戯で記憶に残る一番古いものはこれ。さきに述べた「好きな人告白強要」ほど困るものではなく、語感からして滑稽にさえ感じられるものでもあった。

 次に記憶していたのは小学校6年位の事。

 線路の最果てにある電車基地のある駅でのことだった。

 終点の一駅手前の駅で電車庫が置かれる位だから駅前には何もなく、それは今でもあまり変わっていない。ホームの上でもやはり閑散としていたが、中年だったか老人だったか自分から見てかなり高齢な男がホームの舗装面に座り込んでいた。昼日中だというのに酒類を手にしていてあきらかに酩酊状態にあるようだった。私は一人で、その男の前を通りかかったが、その時に

「ぼうず、きんたまでっかくなったか?」

 今日でも自分のコミュ症をもて余す自分のこと、さらに状況対応力の無かったその時どう反応していいか判らず相当驚愕したが、すぐに付添のものと思われる別の同じ年齢位の男がやって来てその男を連れ去った。まあ第二次性徴が来ればそれなりの変化があるだろうが、計測したことなどないので今もって答えられない。もっとも自分が成人するころには件の男も了っているだろうけど。付添の男から謝罪されたかどうかも覚えていない。小遣いを渡された記憶もない…もしそれがあったら一風変わった援助交際のようだ。

 ヤバいよね。

 もっとも困惑したのは中学校(言うまでもないが共学の公立校)に入ってからだ。

 クラスの半分は別の小学校から来た全く知らない人達で、緊張する。自分は人と打ち解けるタイプではなく、例え同性であったとしても向こうから声をかけてもらえるのは助かるものだ。

 しかしこれが「愛の告白」だったら話は別だ。とんでもない男がいて絡まれる。色々な事を言わるが、さすがにクラスの者がいる教室で言われるのはどうみても公開処刑である。中でも

「パンツ脱がせっこしよう」

 どっかーん!

 今となっては、そんなこともあったかなあ、的な反応で済まされようが、当時の自分には大問題である。そもそも提案されたことをしてその先どうしようというのか? 真正の同性愛者なのかギャングエイジの延長線上にある何かなのか? まだ男性として完成したことすら確認(何のことかは聞くな)できていない自分には謎で恐怖でしかない出来事である。小学生でも同性を愛することが根本的におかしいことぐらいわかるのに、この男ときたら…

 翻って考えて見るに、当時秀逸な作品を世に送り出す4人の女性漫画家がいて、競うように男子の同性愛をテーマにした漫画を少女漫画誌に掲載した直後で、この男には姉がいたから、そこから知識を得たのかもしれない。まあ交通事故か何か生命の危険を脅かされるイベントでもあってその後遺症(PTSD)でおかしな言動をしたのかもしれないが。これも幸い入学後3ヶ月ぐらいでその男は転校(たぶん)という形でけりがついた。後年その男とおぼしき人物から執拗な嫌がらせを受けるだろうことは想像できなかったので一安心した。

 甘いね、甘いんだよ、自分!

 他にも理解できない行動を取る物が中学にいたけど、最早是迄之事!

 

追記

 江戸川橋駅は有楽町線の駅で東西線の駅ではなかった。まあ東西線神楽坂駅から江戸川橋駅の間を移動するというミッションもありましたので…ちなミッションの中には手提げ袋に入ったBL誌原稿一冊分を回送するというものもありまして…

 タマムシ