意識不明で管だらけになった母の姿は衝撃的でしたが
意外にも容態は落ち着いていて
すぐに生死に関わることはないそうです。

意識がないのも
「人工呼吸器の痛みをやわらげるため
鎮痛剤を投与しているから」とのこと。

弟「では、鎮痛剤の投与をやめたら
母の意識はもどりますか?」

医師「意識はもどりますが、お母様は苦しみますよ?」

母が苦しむ姿など、私は見たくありません。
だから、私は「お母さんが苦しむなら
鎮痛剤はこのままでいいじゃない」と言いました。

いろいろと問題はありますが、その思いは一緒だったらしく、弟は引き下がりました。

そして、次に弟が言ったのは
「人工呼吸器ははずせますか?」

医師「はずしたら本日中に天国に旅立たれます」

絶句している私と弟にむかい、医師は続けます。

医師「口からチューブを入れているのは
苦痛が大きいですし
炎症をおこしやすいなどのリスクがあります。
もし延命をご希望ならば
手術で首を切開して入れることになります」

弟「手術はしないと、ダメですか?」

医師「延命を望まれるのでしたら」

弟「手術をしたら、家に連れて帰れなくなりますか?」

医師「機材を購入していただき
訪問治療を利用することが必要です。

さらに、3人から5人ぐらいの人手があって
24時間付きっきりで介護ができるなら可能です。
ただ、それだけの人数が
専任で介護をするのは難しいと思います。
ですから、入院するのが現実的でしょう」

私「気管切開手術をした場合
どれぐらい延命できますか?」

医師「お母様の場合、ご高齢ですから
たぶん1年ぐらいかと思われます」

私「手術をしても1年……」

医師「はい。自然にまかせてもいいと思います」


お医者サマ、はっきりは言いませんが
『安楽死』を勧めている感じです。

もっとも、そう感じるのは
もし私が母の立場なら
元気になる見込みもないのに
首を切って管を入れられて
病院で寝たきりのまま
1年生きながらえるぐらいなら
(このまま死にたい)と考えているせいかもしれません。

一方、弟は
「生きているのに殺すことなんてできない」
そうで、延命を望んでいます。

弟の文句ばかり書いてきましたが
母の介護をしてきたのは弟です。
母の治療に関して優先されるのは
絶対的に弟でしょう。

この文章を書いている5月4日時点では
まだ結論は出ていませんが
おそらく、母は延命処置をされそうです。