​あらすじ


すべてが、伏線。

死者が視える霊媒・城塚翡翠と、推理作家・香月史郎。心霊と論理を組み合わせ真実を導き出す二人は、世間を騒がす連続死体遺棄事件に立ち向かう。証拠を残さない連続殺人鬼に辿り着けるのはもはや翡翠の持つ超常の力だけ。だがその魔手は彼女へと迫り――。ミステリランキング5冠、最驚かつ最叫の傑作!

公式サイトより引用

medium 霊媒探偵城塚翡翠/相沢沙呼


このミステリーがすごい、で一位になっていた時に気になって買って読んでいたのですが、
ドラマ化するというのを見かけて久しぶりに引っ張り出してきました。

結末は覚えていたのですが、2回目に読むとあれもこれも気になる言い回しだらけでなるほどーと思いながら楽しく読めました。

思いがけない結末が!系の小説というのは、何を書いてもネタバレになりそうなので憚られるのですが、
こちらは今流行りの正真正銘美少女系探偵になっています。
(先日書いた地味なアラフォー女探偵葉村晶シリーズのレビューでも書いたような気がしますね)

降霊能力があり、人のオーラや感情などが視える少女城塚翡翠。その能力で殺人事件の犯人やヒントがわかるのですが、
もちろんそんなものに証拠能力はなく、結果を聞いてなんとか証拠として辻褄が合うように足りないピースをつなぎ合わせて推理をしていくのは推理小説家香月史郎。
そんな2人のコンビが事件を解決に導くという新しいタイプの推理小説、という感じでしょうか。

この城塚翡翠、クォーターで誰もが認める美少女、霊媒師として神秘的な雰囲気を纏いながらも、素になると気が弱くてちょっとドジで天然で無防備、というなかなか虫唾が走る性格をしていますが、とりあえず面白いので最後まで読んでみることをお勧めします。

推理小説の探偵が霊能力(超能力でも)を使うのは禁じ手だと思ってきたのですが、
証拠能力がない、他の人に言っても信じてもらえない、しかも降霊するには条件があったりと決して霊能力は万能ではない。だからこそ、それをなんとか辻褄があうように、刑事に逮捕してもらえるように、証拠を探したり説明を考えたり、という部分に重きを置くという構成で
立派なミステリーになるんだなぁ、というのは新しい発見でした。

ネタバレに触れないと薄いレビューになってしまうのは承知ですが、

正真正銘大どんでん返し系の推理小説です。

昭和の少女漫画かよ!と突っ込みたくなる城塚翡翠のファッションとキャラも、一周回って楽しみながら読んでいただけると良いかと思います。

ドラマ楽しみにしています。

そして今調べたら小説版は続編が出ているようです。
1回目に読んだ時よりも城塚さんに好感が持てたので、是非とも読もうと思います。

↑続編です