長寿社会の進展の中、

ご家族が「認知症」となってしまい、

お困りになられている方も多くいらっしゃるのではと思います。

 

認知症状のある方への「基本的と考えられている関わり方」を踏まえた上で、
その方の元々のご性格や生活スタイル、価値観、お好きなこと、お嫌いなこと、病状、飲まれているお薬、これまでの人生模様etc…を総合的に考えて、
「その方に合った関り方」を見つけていくことで、
ご本人、ご家族の方ともに、
少しでもストレスの少ない毎日へと近づけていくことができるとよいですね。
 
 
そこで、
まず踏まえておくとよいと思われる「基本的と考えられている関り方」
に関して掲載してあるサイトがありましたので、

以下、ご紹介していきたいと思います。

 

1.今伝えたことを、繰り返し聞く

▶「さっき言ったよ」などとは言わず、初めて聞いたかのように、やさしく答える

 

2.家族の名前を忘れる

▶その都度、やさしく伝える
▶ふだんからコミュニケーションをよくとっておく
▶毎回自分から名前を言うようにする

 

3.話がかみ合わない

▶「はい」「いいえ」で答えられる質問、「○と×ではどちらがいい?」など、選択できる質問をする

 

4.真実でないことを言う

▶真実でなくても、否定せずに受け入れる。共感する

 

5.話したがらない

▶積極的に話しかけて、刺激を与える
▶無理に話しかけなくても、人の話を心地よさそうに聞いているようならそのままでもOK

 

6.予定どおりに行動できない

▶その都度、予定をわかりやすく伝える
▶行動を細切れで、一つひとつ順番にメモをしておく

 

7.ものの名前がわからない

▶その都度、伝える
▶そのものを描いた絵や写真などに名前を書いておく

 

8.電車やバスの乗り方がわからない

▶一緒に出かけ、時間がかかっても、乗り換えが多いなど複雑な状況は避ける

 

9.デイサービス、病院などに行きたがらない

▶なじみの場所になるよう、できればデイサービスは毎日利用する
▶「招待されている」などの言葉かけをする
▶「私が行くから、付き添って」などの言葉かけをする(医師などにも事情を話しておく)

 

10.介護をしようとすると、拒否する

▶正面からなど、本人が見えるところから、やさしい言葉、短い言葉でゆっくりと声をかける
▶これから何をするのかを、説明する(何をするかわからないことが、拒絶につながる)

 

11.訪問販売で布団などを大量に買ってしまった

▶成年後見制度の利用を考える
▶通帳や貴重品、金銭の管理に気をつける(現金を置かない、もたせない)
▶まずは警察に届け、直後であればクーリングオフ制度を利用する
▶近所の人にお願いして、ときどき様子を見てきてもらう(人の出入りが多いと狙われにくい)

 

12.夜になると騒ぐ

▶昼間、よくからだを動かすようにする(夜は疲れて眠るため)
▶水分不足の可能性もあるので、水分をしっかりとる
▶暗くなると不安で騒ぐこともあるので、音や照明、インテリアなど落ちつける雰囲気を考える

 

13.なかなか眠れない

▶昼間、よく体を動かすようにする
▶足浴を試してみる
▶寝る前に電話を入れたり、明日行くと伝えて、不安を取り除く

 

14.すぐに怒り、暴力を振るう。イライラ、落ち着かない

▶相手が興奮していても、こちらは冷静に、落ち着いて、話を聞く
▶落ち着ける環境、なじみの環境をつくる(音楽、におい、照明など)
▶タクティールケア、フットケアなどを試す
▶スキンシップをはかりながら、話を聞く
▶違和感や不快感を伴うような体調の変化がないか、よく観察する
▶便が出る直前や、便秘が原因のこともあるので、主治医などに相談してみる(排便状態を確認する)

 

15.昼間、布団から出たがらない

▶カーテンや障子をあけて朝日を浴びてもらい、自然な起床を促す
▶「朝食(昼食)の準備ができました」「一緒に食べましょう」などと声をかける
▶散歩や買い物など、日中にからだを動かす予定を入れて、夜眠り朝起きるリズムを作る

 

16.突然大声を出す、興奮する

▶脱水やからだの不快症状、痛みなどがないか一度確認する
▶興奮しやすい時期を把握しておく
▶落ち着ける環境、なじみの環境をつくる(音楽、におい、照明など)
▶治まらないような場合は、主治医やケアマネなどに相談する

 

17.傷つく言葉を吐く

▶傷つく言葉、自尊心を損ねる言葉を使っていないか、嫌がる介助(無理強い、急に触るなど)をしていないか振り返る
▶一時的に離れて、落ち着いた頃にもう一度声をかける
▶体調が悪くないか聞いてみて、場合によって主治医などに相談する

 

18.性的な言動をする

▶「理性で抑えられなくなっているだけ」と理解して、手をさするとか、肩をなでたりとか、別のコミュニケーションをとってみる

 

19.汚れた下着をタンスの奥に入れる

▶「隠したい」という気持ちからなので、「洗っておきましょうね」と声をかける
▶本人が気づかないようにそっと洗い、戻しておく

 

20.お風呂に入りたがらない

▶家族が見守りながら入る(一緒に入ってもOK)
▶デイサービスの入浴を利用する(「お風呂、温泉に招待された」というと受け入れてくれやすい)
▶いきなり「お風呂に入ろう」と伝えずに、「洋服が汚れているから着替えましょう」「ちょうどお風呂が沸いたから、入りましょうか」「足が冷たいから、ちょっとお湯で温めましょうか」といった流れの中で、入浴をすすめる

 

21.トイレに失敗する

▶トイレのリズムを把握して、タイミングよくトイレに誘う(いきなりトイレに誘うのではなく、何かのついでにトイレに寄るような流れで)
▶トイレの習慣をつけ、時間に余裕を持って、トイレタイムをつくる
▶水分をしっかりとる
▶トイレの場所がわからない、トイレで便の仕方がわからない(洋服を脱いで、便座に座るという行動がとれない)など、原因を探す
▶尿漏れパンツ、パッド、おむつなどの利用について、専門家に相談する

 

22.転倒しそうになった転倒した

▶階段や廊下に手すりをつける、階段に滑り止めをつける
▶家の中の段差をなくす
▶蛍光テープを貼って、暗くても段差がわかるようにする

 

23.さっき食べたばかりなのに、「食事はまだ?」と聞く

▶本人の思っていることに合わせて、「食べていないのね、支度してくるわ」と台所に立つ
▶おなかにたまらないような軽いもの(菓子、フルーツなど)を出す

 

24.冷蔵庫に食べものではないもの(洗剤など)を入れる

▶どうしてそういう行動をとるのかを、聞いてみる
▶洗剤などは、本来しまう場所に写真やメモを貼っておく
▶支障がなければ、そのままにしておく

 

25.トイレの場所がわからない

▶トイレのドアの前に「トイレ」と書いておく
▶夜間でも電気をつけ、少しドアを開けておく
▶トイレまでの動線に蛍光色など目立つ誘導テープを貼る(病院の廊下にあるガイドのイメージ)

 

26.着替えができない

▶本人ができない行為(脱げるが、着られないなど)だけ手伝う
▶着る順番に衣類を用意しておく
▶「手を入れてください」「首を入れてください」と、動作をひとつずつ分けて促す
▶ボタンやファスナーではなく、マジックテープなどの着脱しやすい衣類に変える(女性はズボンではなく、スカートのほうがラクにはける)

 

27.歯磨きができない

▶「歯ブラシに歯磨き粉をつけてください」「口に持っていって歯の裏を磨いてください」など、作業を一つずつ確認しながら歯磨きをしていく
▶歯磨き介助グッズを使って、歯磨きを手伝う
▶電動歯ブラシを使ってみる
▶隣で一緒に歯を磨く

 

28.リモコン、電化製品の使い方がわからない

▶必要なボタンだけに色をつけるとか、枠で囲うとかして目立たせる。使わないボタンはテープなどで隠す
▶電化製品はボタンに使う順番を書いて貼っておく

 

29.洗濯や掃除ができない、間違える

▶電化製品の使い方がわからないときは、使う順番を貼っておく
▶やる気がない場合は、できる範囲でやってもらう
▶時間がかかっても、できるだけ本人にやってもらう

 

30.季節に合わない服を着る

▶あらかじめ季節や天気に合った洋服を用意しておく
▶タンスのなかの洋服も、季節に合ったものに総入れ替えしておく

 

31.夕方になると家を出て行こうとする

▶ずっと一緒に後をついて安全を確認する
▶「お茶が入ったので、飲んでから行きませんか?」とうまく引き止める
▶脱水や低栄養が原因のことがあるので、水分が不足していないか注意してみる
 ※1日1.5リットルを目安に。具体的には主治医に聞く
▶昼間に、よくからだを動かす
▶出て行きたくなる時間帯を把握しておく

 

32.外出して、迷子になってしまう

▶出かけるときは付き合う
▶ドアチャイム、徘徊探知機、センサー、位置のわかる携帯電話などを利用する
▶地域の徘徊ネットワークや、近所のスーパーや郵便局などに連絡しておき、地域で見守りをしてもらう

 

33.「家に帰る」と言ってきかない

▶一緒に出かけて、家まで付き合う
▶「食事(お茶)でもして帰りましょう」などとやさしく語りかけ、関心をそらす

 

34.料理の味つけがおかしくなる

▶まずは料理を作ってもらって、見ていないところで味を直す
▶健康に問題がなさそうなら、作ってもらったものをそのまま食べる
▶1品だけ作ってもらい、あとは買ったり、家族が作ったりする
▶料理番組のように、調味料をあらかじめ量って小皿などに入れておいて、それを使ってもらう

 

35.料理ができない、間違える

▶時間がかかっても、できるだけ本人にやってもらう
▶一緒に料理をして、本人ができる部分だけお願いして手伝ってもらう