大手の法人は、

資金をかけて、設備の整った施設や事業所(デイサービス等)を作ることが可能ですが、

個人(小資本)で同じようなことを行うのは難しいところがあります。

 

 

介護の事業所に限らず、あらゆる事業は黒字運営をしていかないことには継続していくことができません。

以前管理者をしていた都内の地域密着型のデイサービスは、

私が退いた後、経営力のある人材に恵まれなかったようで、

ご利用者が運営できないところまで少なくなって、1年数ケ月で廃業をしてしまいました。

自分自身が行っていた運営方法が間違っていなかったことを再認識した出来事でした。

 

日頃経営に苦慮している大手ではない事業所さんの参考になるかと思いますので、

健全経営をしていくための一つの方法を以下記していきたいと思います。

 

「小よく大を制す」

「柔よく剛を制す」

 

現在、事業所が飽和している地域では、

漫然と運営していては集客ができない状況となっています。

上記デイサービスを任された際、

次の書籍(私が参考にしたのは2002年刊行の初版のもの)を参考に事業所運営を考えていきました。

 

 

以下、ポイント(と思われること)を記していきます。

・世の中に紹介されている情報の9割は大企業のもの。それを適用してもムダである。

 (…現在は9割ということはないかなと思います)

・ライバルとの競争は戦争。やるからには勝たねばならない。

「戦略」とは全社的な勝ち方のルール。「戦術」は繰り返し手や体を動かしていく仕事のこと。

(…オーナーが立てていなければ、管理者等が「戦略」を立てていくことになるのかと思います。)

・戦いの法則「ランチェスター法則」を経営に置き換えることで有利に戦うことができる。※1

・敵より性能のよい武器を持ち、狭い戦場で、一対一で戦い、接近戦を行い、力を一点に集中させる。

           ↓

・弱者(…大手ではない事業所)は先発会社と差別化し、同じやり方をしない。

弱者は小規模1位主義、部分1位主義を狙う。

目指せ小さなナンバーワン

・弱者は対象を細分化する。

・弱者は得意なものを一つに絞る。

「なに」を「どこ」に売ってナンバーワンになるかを「意識」する。

・大企業がやらない商品。

・弱者は、大手が本気にしない客層に絞る。

・あなたの顔と性格に合う客層がいる。

・お客様が思っている以上の「何か」をする。

・成功者はみんな結果的に長時間労働をしている。

業界の悪習慣のスキをつく。

 

例えば、地域密着型のデイサービスでしたら、

一つの地域包括支援センターのエリア(中学校区域)で、

このような利用者さんはあそこの事業所!と、

地域のケアマネさんに思ってもらえるような運営を目指していくとよいと思います。

 

(参考)

 

 

※1

(ランチェスター法則)

第一次世界大戦時に戦闘機の開発に従事していたイギリス人F・W・ランチェスターが考案した軍事法則。

戦闘力は武器効率と兵力数で決まる。

第1法則(原始的な戦いの場合)

 ・一騎打ち ・局地戦 ・接近戦

   →戦闘力=武器効率×兵力数

第2法則(近代的な戦いの場合)

 ・確率戦 ・広域戦 ・遠隔戦

   →戦闘力=武器効率×兵力数の2乗

 

小が大に勝つためには、第2法則適用化の戦いでは歯が立ちません。

「兵力数が少ない劣勢軍」の場合、第1法則を応用し、

①射程距離が短い一騎打ち戦的な兵器を選び

②戦う時は敵に近づいて一騎打ち戦をする

③そのためには接近戦や一騎打ち戦がしやすいよう、身を隠しやすい戦場を選ぶ

          ↓

経営に応用すると、

①一騎打ちがしやすい商品を選ぶ

②接近戦や一騎打ち戦がしやすい営業方法を決める

③そのためには接近戦や一騎打ち戦がしやすい特別な営業エリアを選ぶ

 

星「三方よし」

ご利用者、地域の方のお役に立ち、

働いている人がきちんと給与をもらうことができて、

組織も潰れない健全経営を行っていけたらいいですね。

 

(参考)