「この子らを世の光に…」と訴え続け、講演会の壇上で倒れ54歳という若さで亡くなられた、

「知的障がい者福祉の父」と呼ばれている糸賀一雄先生は、著書の中で、

「私たちはとても一介の庶民でしかないが、

自分の属している家や仕事のほんの一隅を照らしつづけることはできそうである。

そこに希望があり、勇気がわいてくる。

どんな障害をもっている人でも、その人の全存在で、それなりの一隅を照らすのである。」

と記されています。

 

 

「生産性のない人間は世の中の役に立たない」という考えをもっている人もいるのが人間社会ですが、

たとえ重い障がいをもっていても「その人の存在自体が尊い」と感じる心をもっている人もたくさんいることでしょう。

糸賀先生は「障害があるとかないとかいうことなど関係なく誰もが光り輝く存在であり、皆が相手のことを認め合うことの大切さ」を訴えられていました。




私たちは、ややもすると、派手なこと、目立つこと、華々しい成功などに目を奪われてしまいがちですが、

たとえ多くの人の目に止まらなくても、自分のできることを地道に行っていること自体に価値があると思います。

 

自分の人生の満足感は他の誰かが決めるものではありません。

他人のものさし(価値観)に振り回されていないか?…を一度考えてみるとよいかもしれません。

華々しく成功をしたいのであればそのための戦略を練り実行していく必要があるでしょう。そうした生き方も素晴らしいですね。

しかし、家庭でも仕事でも、自分の周りにいる人に温かい光をささやかでも送っていくことができる…そのような生き方もいいですね。

 

福祉の仕事はまさにそのような仕事と思います。