禅語に、次のようなものがあります。
「春来草自生」(はるきたらばくさおのずからしょうず)
…春が来れば、草は自然に芽吹きます。それが自然の摂理です。
目標に向かって頑張っていても、なかなか成果が出ないことがあります。
そんな時は、落ち込んだりせずに、まだ時期が来ていないのだと考えましょう。
今はまだ、必要な準備が整っていないのだと考えて、焦らずに自分ができることを続けましょう。
一心に打ち込んでいれば、しかるべき時に成果が表れます。
「寒松一色千年別」(かんしょういっしきせんねんべつなり)
…老松は、千年という歳月を経ても、風雪に耐え、美しい緑の葉を茂らせています。
人生、楽しいことばかりではありません。
厳しい環境に身を置かねばならないときもあるでしょう。
もう耐えられないと、挫折しそうになったら、寒中でも青々とした葉を茂らす、松の木を思い出しましょう。
苦労も、ある朝、花開いて春が来るように、突如として報われる時がやってくるかもしれません。
『くり返し読みたい 禅語』
(武山廣道 臨済宗 白林禅時住職監修)より