「勤め人ではない働き方」の選択幅がとても大きくなっていて、

並外れた能力がなくても、そうした働き方でサラリーマンよりも経済的利益を得ることが可能になっている現在だからこそ、

「仕事」について再考してみるとよいと思い、今回のブログで取り上げていきたいと思います。

 

 

「3人のレンガ積み」の寓話です。

中世のとあるヨーロッパの町。

建築現場に3人の男が働いていた。

「何をしているのか?」と聞かれ、それぞれの男はこう答えた。

最初の男は、「レンガを積んでいるのさ」と。

2人目の男は、「金(カネ)を稼いでいるのさ」と。

3人目の男は、「後世に残る町の大聖堂を造っているんだ」と。

 

「仕事」のとらえ方には広がりと奥行きがあります。

例えば、

「労役」と感じるもの ~ 「可能性への挑戦」ととらえるもの ~ 「使命」ととらえるもの。

「しかたなくやるもの」 ~ 「湧き上がる動機をもって行うもの」。

 

仕事を表す英語の単語もさまざまあります。

work((幅広く)仕事)  task(任務)  job(任される業務)  labor(肉体的に骨の折れる仕事) 

occupation(生業) profession(高度専門的な職業)  callingvocatin(天職) 。

 

「人はパンのみに生くるにあらず」という聖書の言葉があります。

 

技を駆使して高度なことを行う「エキスパート(職業的専門家)」、

徳を行うために高度な技を磨いている「プロフェッショナル」

…というとらえ方もあります。

 

欧米の医学界では、今でも医師になるときに、

『ヒポクラテスの誓い』を読誦するしきたりをのこすところがあるそうです。

 

以下、「ヒポクラテスと医の倫理」 (江本秀斗東京都医師会前理事)…からの引用です。

 「ヒポクラテスの誓いを現代的な言葉で表現したのが WMA(世界医師会)のジュネーブ 宣言(1948 年)である。

 ジュネーブ宣言

医師として、生涯かけて、人類への奉仕の為にささげる、

師に対して尊敬と感謝の気持ちを持ち続ける、

良心と尊厳をもって 医療に従事する、

患者の健康を最優先のこととする、

患者の秘密を厳守する、

同僚の医師を兄弟とみなす、

そして力の及ぶ限り、 医師という職業の名誉と高潔な伝統を守り続けることを誓う 」

 

中世に存在した数少ないプロフェッショナルは、聖職者、学者、法律家、医師などで、

彼らは独自に協会をつくり、互いに高い規律意識を求めながら仕事にあたっていて、

その労働精神のベースは、私欲のない社会奉仕だったと言われているようです。

 

医療、福祉の仕事に就こうと思った時の気持ちが、

そのようなものであった方も多いのでは?と思います。

 

(参考書籍)