今日は、試験のトピックから離れて、

「認知症」に関して、少し書かせていただきます。

 

介護の現場にいると、認知症と向き合う機会が多いです。

全国の介護現場、

認知症のご家族の介護にあたられているご家庭で、

試行錯誤の中、介護が行われていることと思います。

本当にお困りになられているご家族の方が多くいらっしゃることと思います。

 

ですので、そうした現場に携わっていない方の、

対岸からの文章なりをみると複雑な気持ちになったりします。

現在では治療法が確立されてきている「がん」などよりも、

確立されていない認知症の方が、怖い病と言えるのかもしれません。

認知症が発症してしまった方と、どう向き合っていけばよいのかは、

介護に携わっている者の課題です。

日本の課題とも言えるでしょう。

 

認知症には、アルツハイマー型認知症などの脳変性疾患によるもの、

脳血管障害、外傷性疾患、感染性疾患によるものなど、さまざまな要因によって発症をしてくるとの見解が定説ですが、

統計上多数を占めているものはアルツハイマー型認知症です。

アルツハイマー型認知症の発症原因は現在不明と言われていますが、

大脳皮質の顕著な委縮、老人斑(アミロイド斑)、神経組織の変性、アセチルコリンなどの神経伝達物質の減少といった

脳の変化が起こることはわかってきているようです。

 

現在、アセチルコリンの減少を防ぐ効果のあるアリセプトやレミニール、

神経細胞を保護する効果のあるメマリーといった、認知症状を緩和させる薬は開発され、医療機関で処方をされていますが、

残念ながら、認知症状を根本から改善する薬は、開発されていません。

治療薬、治療法、そうした研究の進展を願ってやまないところです。

 

アルツハイマー型認知症にならないようにするにはどうしたらよいのでしょう?

予防法といったものがわかればよいなあと思ったりしますが、

治療法が解明されていないのと同じように、予防法も試行の段階以上ではないようです。

発症原因が不明なのですから、当然ですね。

 

そのような段階の中で、アルツハイマー型認知症の発症要因に修正可能な危険因子が多数あるとの、カルフォルニア大学のデボラ・バーネス助教授らの研究があります。

喫煙、低身体運動、低教育水準、中年期高血圧、糖尿病、うつ、

これらの7つの危険因子を修正することで、アルツハイマー型認知症を予防できるとの推論がなされています。

この推論から考えられることは、

生活習慣病に気をつけること、

身体を動かすこと、

頭を使うこと、

こんなことが考えられるでしょうか?

巷で言われているボケないためにはという話と同じですね。

1年でも早く、有効な予防法、治療法が確立されるとよいのですが。

 

バリデーションなどの、認知症を発症した方へのアプローチ法は、

ケースバイケースではありますが、

効果があるなと個人的に実感しています。

福祉職のできること、すべきことは、

個々の、それぞれのお方の価値観、生活歴なりを踏まえた、

その人らしい人生の終末期というものを目指した支援、

しっかりとアセスメントを行い、

検証を繰り返しながら、

より適切と思われる支援スタイルを追求していくことかと思っています。