HPV接種「子宮頸部、肛門、口腔」3部位で予防効果確認

米国学会短信2015年5月7日(木)配信 小児科疾患産婦人科疾患感染症


 米国癌学会(AACR)は4月21日、18-25歳の女性に対するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種が、HPV暴露歴のある女性においても、ある程度の予防効果を示すという研究所見を紹介した。4月18-22日開催のAACR年次会議で発表された。


 今回の研究は、HPV 16/18ワクチン接種による子宮頸部、肛門、または口腔での感染予防効果を、Costa Rica Vaccine Trial(無作為化、対照比較試験)の3つサブグループ解析で評価した。

その結果、全部位でHPVワクチンの予防効果が確認された女性の割合は、HPV暴露の歴のない群で83%、暴露群でも58%に達した。

一方、接種時に子宮頸部で活動性のHPV 16/18感染が認められた群では、予防効果は25%にとどまった


また、3つの部位のうちのいずれか1部位で予防効果が認められた女性の割合は91%にのぼった。



 研究者は

「HPVワクチンに治療効果はないが、HPV暴露歴のある女性においても、HPVワクチンが、非感染部位において将来的な感染に対する予防効果を示す可能性がある」

と期待感を示している。

http://www.aacr.org/Newsroom/Pages/News-Release-Detail.aspx?ItemID=719#.VUGrqmccTIV