HPVワクチンで罹患率56%減 【米国癌協会】
13-17歳で接種率低迷の状況も

2013年7月11日 米国学会短信 カテゴリ: 産婦人科疾患・感染症・投薬に関わる問題


 米国癌協会(ACS)は6月20日、ヒトパピローマウィルス(HPV)感染が、ワクチン導入以来急激に減少していることを示した研究を紹介した。6月19日付Journal of Infectious Diseasesに掲載。

 この研究は、米国疾病対策センター(CDC)が全米健康栄養調査(NHANES)のデータを基に、女児および成人女性のHPV罹患率を、ワクチン導入前と導入後について比較したもの。14-19歳女性のHPV罹患率は、ワクチン導入後56%減少したことが分かった。しかし3回のワクチン接種を完遂しているのは、13-17歳女児のわずか3分の1。CDCによると、このように低い接種率では現存する女児5万人が、生涯いずれかの時期に本来予防できる子宮頸癌を発症するという。

 米国ではHPVワクチンとしてCervarixとGardasilが認可されているが、いずれもHPV暴露以前に接種しなければならないACSは11-18歳女児への3回接種を勧告している。

 ACSは、女児への接種率が低迷している理由として、医師が積極的に接種を勧めないことを挙げる。HPV感染は性病であるため、医療関係者や保護者に心理的抵抗があり、また我が子が性的関係を持っているとは思わない親がワクチン接種の必要性を認めないのだろうと、ACSは推定している。

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