HPVワクチン、咽頭癌も予防か 【米国癌協会】
口腔HPV感染予防に予備的エビデンス

2013年8月1日 米国学会短信 カテゴリ: 産婦人科疾患・耳鼻咽喉科疾患・投薬に関わる問題
 米国癌協会(ACS)は7月24日、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンが口腔HPV感染の予防にも有効であることを示した研究を紹介した。7月17日配信のPLOS Oneオンライン版に掲載。

 この研究は、HPVワクチン(商品名サーバリックス)またはA型肝炎ウイルスワクチンを接種した18-25歳の女性7000人超を追跡。接種4年後に、口腔HPV感染の経験者数を調べたところ、感染者はHPVワクチン接種群で1人、肝炎ワクチン接種群で15人だった。HPVワクチン接種者はそうでない者に比べ、感染率が93%減少した計算になる。

 HPVは150以上の型を持つウイルス群。このうちサーバリックスが有効なのは、子宮頸癌の原因となることが最も多いHPV-16とHPV-18だが、HPV-16は咽頭癌と最もよく関連するウイルス型でもある。

 ACSによると、HPVが原因で発症する咽頭癌の比率は増加しており、全ての咽頭癌の半数から70%を占めるという。

 この研究では口腔HPV感染者数が対照群においても少ないこと、追跡期間が比較的短いこと、被験者を女性に限っていることから、今回の結果は予備的エビデンスと言えるものの、HPVワクチンが咽頭癌罹患率に影響を与える可能性があるとして、関係者は男性への応用を有望視している。

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