【群馬】子宮頸がん接種8人副作用
読売新聞 7月9日(火) 配信
子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に慢性的な体の痛みなどの副作用が出ている問題で、県内では、国が市町村にワクチン接種への補助を開始した2010年11月以降、少なくとも8人が副作用とみられる症状を訴えていたことが、県と各市町村への取材で分かった。このうち2人が重症という。医師が副作用だと判断できずにいるケースもあるとみられ、件数はさらに増える可能性もある。
県保健予防課によると、県が把握している副作用は、小学6年から高校1年の女子児童・生徒への定期接種が始まった今年4月以降に、県内の医療機関が厚生労働省に報告した3件。県はこれ以前は把握していないため、10年11月以降の報告例について、読売新聞が県内の全35市町村へ取材した。
その結果、高崎、渋川両市で各2件、伊勢崎市、安中市、藤岡市、中之条町で各1件の計8件(県が把握する3件を含む)の副作用が医療機関から国へ報告されていたことが分かった。
このうち死亡や障害につながる恐れがあったり、入院したりする「重症」は2人だった。
重症の2人はいずれも10歳代で、1人は1回目の接種で手足の震えが起き、もう1人は3回目の接種で、膝や肘、手首、指などの痛みを訴え、1週間ほど入院した。2人とも現在も症状が続いているという。
ほかの6人は、接種後に肘の腫れ、けいれん、意識が遠のくといった症状を訴えたが、ほとんどが1日以内に回復したという。
前橋市や東吾妻町などでは、副作用の報告例はなかったが、副作用を疑う保護者からの問い合わせが数件あったという。
前橋市では、ワクチン接種後、「激しい痛みや吐き気、疲れなどで学校を休みがちになった」「登校しても保健室で休まなければならない」といった相談が複数寄せられているという。
ただ、接種を受けるのは主として中高生であるため、同市衛生検査課は「副作用によるものなのか、思春期特有の心と体の問題に由来するものなのか、医療機関が判断できず、国への報告には至っていない」と打ち明ける。
県は実態把握のため35市町村に対し、10年11月から12年度末までに発生した副作用の聞き取り調査を進めている。県教委も、県内の全ての公立中学校と高校などに対し、昨年度に副作用とみられる症状で年間30日以上欠席した生徒の有無などを調べている。いずれも今月中に結果をまとめる予定だ。
子宮頸がんワクチンは1人3回の接種が必要で、県によると、県内では10年11月から12年3月末までに計13万5458回接種された。県保健予防課は「少しでも副作用だと疑われるケースは、医師から国に報告してほしい。多く症例が上がることが今後の検証につながる」としている。
◇子宮頸がんワクチン
「サーバリックス」と「ガーダシル」がある。子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、子宮頸がん全体の5-7割の原因とされる2種類の感染を防ぐ。今年4月、小学6年-高校1年の女子児童・生徒への予防接種が公費で受けられる定期接種になった。
読売新聞 7月9日(火) 配信
子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に慢性的な体の痛みなどの副作用が出ている問題で、県内では、国が市町村にワクチン接種への補助を開始した2010年11月以降、少なくとも8人が副作用とみられる症状を訴えていたことが、県と各市町村への取材で分かった。このうち2人が重症という。医師が副作用だと判断できずにいるケースもあるとみられ、件数はさらに増える可能性もある。
県保健予防課によると、県が把握している副作用は、小学6年から高校1年の女子児童・生徒への定期接種が始まった今年4月以降に、県内の医療機関が厚生労働省に報告した3件。県はこれ以前は把握していないため、10年11月以降の報告例について、読売新聞が県内の全35市町村へ取材した。
その結果、高崎、渋川両市で各2件、伊勢崎市、安中市、藤岡市、中之条町で各1件の計8件(県が把握する3件を含む)の副作用が医療機関から国へ報告されていたことが分かった。
このうち死亡や障害につながる恐れがあったり、入院したりする「重症」は2人だった。
重症の2人はいずれも10歳代で、1人は1回目の接種で手足の震えが起き、もう1人は3回目の接種で、膝や肘、手首、指などの痛みを訴え、1週間ほど入院した。2人とも現在も症状が続いているという。
ほかの6人は、接種後に肘の腫れ、けいれん、意識が遠のくといった症状を訴えたが、ほとんどが1日以内に回復したという。
前橋市や東吾妻町などでは、副作用の報告例はなかったが、副作用を疑う保護者からの問い合わせが数件あったという。
前橋市では、ワクチン接種後、「激しい痛みや吐き気、疲れなどで学校を休みがちになった」「登校しても保健室で休まなければならない」といった相談が複数寄せられているという。
ただ、接種を受けるのは主として中高生であるため、同市衛生検査課は「副作用によるものなのか、思春期特有の心と体の問題に由来するものなのか、医療機関が判断できず、国への報告には至っていない」と打ち明ける。
県は実態把握のため35市町村に対し、10年11月から12年度末までに発生した副作用の聞き取り調査を進めている。県教委も、県内の全ての公立中学校と高校などに対し、昨年度に副作用とみられる症状で年間30日以上欠席した生徒の有無などを調べている。いずれも今月中に結果をまとめる予定だ。
子宮頸がんワクチンは1人3回の接種が必要で、県によると、県内では10年11月から12年3月末までに計13万5458回接種された。県保健予防課は「少しでも副作用だと疑われるケースは、医師から国に報告してほしい。多く症例が上がることが今後の検証につながる」としている。
◇子宮頸がんワクチン
「サーバリックス」と「ガーダシル」がある。子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、子宮頸がん全体の5-7割の原因とされる2種類の感染を防ぐ。今年4月、小学6年-高校1年の女子児童・生徒への予防接種が公費で受けられる定期接種になった。