1999年、刑事ドラマの新境地を開いたドラマが始まった。堤幸彦監督の「ケイゾク」だった。はみ出しものの刑事真山(渡部篤郎)と東大卒の変わり者刑事柴田(中谷美紀)のコンビが不思議な事件を次々に解決していく。


真山は自分の妹を殺され、犯人である朝倉を銃撃するという過去をもつ。この朝倉がシリーズ全体を貫くスペックホルダーの最初の登場人物ということになる。


主旋律の裏でドラマ全体に低く響く悪魔の企みと戦い始める柴田と真山。2人に命の保証はまったくなかった。朝倉は自分のスペックを使って、2人の抹殺を企む。


切なすぎる最終回は、ドラマの歴史に刻まれる最高の演出だった。真山を演じた渡部篤郎さんも、あそこで終わってよかった。やり切った最後だったと振り返っているほどだ。そしてこの時の渡部篤郎さん最高に色っぽくてかっこよかった。


その後、スペシャル、映画「Beautiful Dreamer」は蛇足にすぎた。朝倉の異常性とその異次元性が証明されたに過ぎなかった。これが、10年後のSpecSick’sにつながっていく。ある意味壮大なドラマである。


その始まりの「ケイゾク」はオンデマンドでも楽しめると思う。ハマること請負。ぜひぜひご覧ください。「私鉄沿線」の野口五郎さんは役者としても力があることがよくわかります。怪演です!!