村上春樹さんは、英語のペーパーバックを読んで英語力を磨いた。以前紹介した作家ジョン・アーヴィングを日本に紹介したのも村上さんのようだ。「熊を放つ」の村上訳を古本屋で探し当てたのは幸運だった。


村上春樹ファンの僕は、大学時代にスペイン語のペーパーバックを読み切ったことはなかった失敗体験を塗り替えるべく立ち上がった。


さぁ読むぞ「The Da Vinci Code」と意気込んで読んだ本書は、引き込まれる内容とハラハラさせる展開で睡眠を奪う作品だった。


主人公のロバート・ラングドン教授は、1つの体験と可愛らしいアイテムでそのキャラクタライズに成功している。


1つの体験は、幼い頃に井戸に落ちたことによるトラウマで閉所恐怖症である。度々、教授はこのトラウマに苦しむことになるが、これがドラマのツイストとして成功している。


そしてもう一つ。ラングドン教授はミッキーマウスの時計を身につけている。両親からのプレゼントであることや常に心を若く保つためただいうのが理由のようだが、実用性(耐水性、ライト機能、計測機能など)もその理由と言われている(「天使と悪魔」の中に記述がある。


ラングドン教授の歴史や暗号への深い造詣と推理力、問題解決能力のみならず、キュートさが読者や映画版もあることから観客を惹きつけてやまない。


僕もつい2本(とても安いアンティーク)を手に入れて愛用している。でもなかなか目に留まらないようで「かわいいですね」「どこで買ったんですか?

」と言われることはない。トホホである。


「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」「インフェルノ」と映画化された作品、「デセプション・ポイント」などを洋書で読み漁った。洋書を読む利点は、わからない単語をいちいち調べずに類推して読む癖がつくこと。翻訳された本よりもはるかに安いということだ。唯一のマイナスは、ミッキーの時計を買うハメに陥ることだ。