④ストーリーを考える(あくまで僕独自の方法)


本当は台詞よりも先に考えることではあると思います。でもなぜ台詞を先にしたのかは、また後でお話しします。今回はストーリーです。


今回「アンチヒーロー」の最終回を前にプロデューサー、ディレクター、主演の長谷川さんの3人が対談している番組をYouTubeで見て、なるほど…と思ったことがありました。「アンチヒーロー」は、数年前の企画書段階では別なストーリーが用意されていたというのです。


赤峰は、緋山とお酒を飲んでて意識を失い、気づいたら傍で緋山が血まみれで死んでいて、赤峰の手には血まみれのナイフが握られていた。このアナザーストーリーも転がして観たかった気がします。4人の脚本家とプロデューサーの5人で練り上げられた緻密な脚本こそが、今回のこのドラマの成功の鍵でした。


それほどにストーリー(展開)とそれを立体化する設計図たる脚本こそがドラマや映画、演劇、ドラマの出来を決めるということです。


プロセスはこうです。

◯ストーリーの大枠を考える。

(例)日本と北朝鮮の間で戦争が始まり、タカシは恋人を残して戦地に赴く。タカシはそこで昔の友人(在日朝鮮人)と敵対する。川を挟んで銃を構えて向かい合う2人。タカシは友人を撃たずに基地に戻る。別な部隊が笑いながら戻ってくるが、彼らの手にはタカシが撃てなかった友人の亡骸が…


◯登場人物を考える

(例)タカシ、恋人、戦地での仲間たち(蕎麦屋の店主、カラオケハウスの店員、戦闘ゲームオタク、長期の引きこもりたち、在日の幼馴染、自衛隊から派遣された上官、自衛隊の取り巻きたち


◯展開の詳細を考える(ツイスト、伏線)

(例)タカシの恋人の妊娠、蕎麦屋は元はオーケストラの指揮者志望で父親の死で夢を諦めた、サバゲーの勇者の活躍、日本で差別されていた幼馴染との繋がり(撃たない理由)、尊敬していた上官が敵を殺したことは当たりだがタカシの親友を惨殺した、タカシは怒って上官を撃つ、独房に入れられるタカシ、一般市民の兵士は自衛隊のルールに乗らないがこの不祥事を隠すために自殺に見せかけて排除される運命、タカシはそのことを知らされるetc.


◯伝えたいこと=テーマは何?

(例)基本的には戦争が友情や恋愛を引き裂くということを再認識させたい。また戦地では一般市民であっても自分の中の狂気や残虐性を表に出してしまう。


※もちろん、あくまでも自分のやり方でシミュレーションを試みました。皆さんの中には「はぁ?」という人もいるとは思います。覚悟して記事にしてみました。恥を偲んで!です。