何度シネマ5に足を運んだだろうか。悪い癖で映画を観ながら感じた喜びを追体験したがる。それもすぐに。


「いま会いにゆきます」「手紙」「君の名は。」古くは「タイタニック」などなど…


「ピンポン」は演劇仲間から勧められて観に行って3度は観に行った。挙句にDVDセットを買ってしまった。買ったが最後観てはいない。実はそんなものですよね。よく作られてるし、脚本も悪くない。


ある人に言われたことがある「あなたは気に入ったものを何日も続けて味わい、すぐに飽きて食べなくなる。気に入ってもガッつかずに、間をあけて味わうとその「好き」は長続きする。さもないと地球上から好きなものが消えてしまう。」やれやれ、当たってるから仕方ない。


松本大洋さん原作漫画の実写化だが、宮藤官九郎さんの脚本が極めて優れていたことと、キャストが漫画に寄せたというよりも、役者の個性を生かして突き詰めたら、ちょっと違うんだけど、この物語の中のそれぞれの登場人物として、再現度の高さと存在感において申し分のない作品に仕上がった、ということだろう。そしてデジタルドメイン出身の曽利文彦監督のVFXが「え?これがVFX?」というところで見事にありえないボールの行き来を迫力ある映像に仕上げている。


僕はペコ(窪塚洋介さん)とスマイル(ARATAさん)の最後はそこだよね、という関係性がベタベタもせず、フェアで相手への敬意と愛に満ちていて心地よかった。いまだに僕の同僚は僕に向かって「ユーキャンフラーイ!」と言う。なんという影響力。松尾スズキさん演じる警官の軽率さがいまだに愛おしい。最初のペコが川に飛び込むシーンの全て(川を上から見る風景も全て)VFXだと知って驚愕した。とにかくわからないようにバレないように高い技術力を使っているところがすごい。


よかったら観てみてください。この上なくスッキリします。胸熱青春友情スポ根物語の真骨頂をお見逃しなく!