僕はMr.Childrenが大好きで、コンサートに行ったりCDを買ったりしてファンを自認していました。最初は音響に使えないか、と役者が持ってきた曲、「車の中でかくれてキスをしよう」だでした。それはそれは可愛らしく、大学時代に車のなかった僕はこの辺りの青春には縁遠かったように思います。


「抱きしめたい」「掌」「HANABI」「Sign」好きな曲は果てしない。カラオケだとキーが高いので歌ってるとみっともなくなるのがオチなので選曲に苦労します。大好きな「ヒーロー」「終わりなき旅」「くるみ」「常套句」あたりは、まず無理で、キーを下げようとすると友人から「情けない。原キーで行こうぜ」と言われます。どうにかなりそうなのが「ニシヘヒガシヘ」「デルモ」「youthful days 」ですが、この辺りを歌うと「楽しやがってこのぉぉ」とバラされる。命がけなのであります。


ミスチルのMVといえばやはり「くるみ」です。その物語は、年配の男性諸氏には切なく刺さるのではないでしょうか。誰しもが近しい経験をしているはずだと思います。若い頃、情熱を傾けた音楽も飯の種にならないとわかるとみんなが自分の才能の無さに失望してどっぷり日常に浸かっていきます。でも頭のどこかには、心の片隅には、無惨な夢の残骸からきらりと光るカケラを拾っては、じっとしていられなくなり、家族に捨てられたギター男がみんなを集めて夢の続きをみようとするのです。現実と虚構が混じり合う部分が切ない。


最後にこの親父バンドが名前を決めるのに、Mr Adult とMrChildrenの二択で前者を選び、選ばれなかったMr.Childrenを櫻井さんが拾ってそれを選ぼうとするという設定になっています。これは架空の話に過ぎません、何という爽やかな「接続」のさせ方でしょうか。涙無くしては味わえないPVです。