2001年に公開された映画のお話🎞️


乖離性意志伝播障害をもつ「サトラレ」である里見健一(安藤政信)は、病院に勤務する医師でありながら、臨床医として患者の前に立てないでいる。サトラレ自身はそのことを知らされておらず、国を挙げて地域を孤立させて、受け入れた地域には助成金も出しながら、地域全体で守ろうとするというSF設定の映画である。サトラレの思念を悟られてしまうことで、社会が混乱を起こさないように、またサトラレ自身にそのことを悟られないように繰り広げられるドタバタはコメディである。


健一と暮らす祖母、里見キヨ(八千草薫)は健一の悩みや苦しみを思念として毎日浴びながら、サトラレであることで苦しむ健一を不憫に思っている。


この後、キヨがガンになり手術をすることになったが、キヨは健一に手術を任せたいと言う。健一は知り得たことを全て思念として漏らしてしまうので周囲は反対したが、キヨは自分の希望を通した。そして手術の日を迎える…


僕は自分の母を癌で亡くした。その直後だった方もあって、クライマックスの場面では号泣してしまった。「告知すべきだし、僕は余命含めて告知してほしい。」と考えていたが、母には伝えることができなかった。妹も同じ意見だった。腹水が溜まって、同じ病気で亡くなっていた自分の兄と同じ状況だと主張する母を仕事を辞めて看病した。ケラチナミン軟膏で足や背中などを毎日マッサージしてむくみがなくなった時はホッとした。


かなり辛口な評価が下されている映画だし、そこまで言う?というコメントもあって意外だったが、僕は好きな映画の一本である。やはり自分の経験が重なるせいか思い入れの深い作品である。