米軍普天間飛行場から国際条約で廃止を求められている「PFOS」(難分解性有機フッ素化合物界面活性剤)を含む泡消火剤約227トンを流出させたと発表した。2020年04月14日
これにより普天間基地周辺と沖縄の海が残留性の高いフッ素化合物で汚染されることとなる。
防衛省は同日、在日米軍に厳重に抗議するとともに、日米地位協定の環境調査に関する補足協定に基づき立ち入り調査を要求した。
日米両政府が2015年に環境補足協定に署名してから、立ち入りを求めるのは初めて。同省の伊藤茂樹報道官は記者会見で「大規模な流出事故」である。
有機フッ素化合物のうち、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)自然界で分解されにくく、高い蓄積性も有するため、沖縄の海や基地周辺が大規模な環境汚染となり人間が食べた場合は体内に蓄積して精神毒となる。症状としては痴呆、無気力など精神に大きな悪影響をもたらす。また肉体的には不妊となる影響がある。
PFOSについては、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」を始 めとして、国内外でさまざまな規制等が行われている。
POPs 条約とは毒性が強く、難分解性、生物蓄積性、長距離移動性、人の健康又は環境への悪影響を有する化 学物質のことを残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants;POPs)と呼び、その POPs から 人の健康と環境を保護することを目的として、国際的に協調して POPs の廃絶、削減等を促すための 取組として「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs 条約)」が締結された。
