母のホーム入所へ向けての準備が始まった。

 

まずは資金繰り。・・・これが一番最初に考えなければいけない事だった。

 

入所金・・・これを期限までに払い込まなければならない。

 

さてさて・・・母の定期預金を解約して、それを振り込もう・・・と思ってメインバンクへ行ったら「ご本人が来行して、納得の上でないと解約出来ません」との事。

 

「本人認知症で、すでに字も書けません。それはご存知ですよね?」と私も初めから鼻息が荒かった。・・・イライラが爆発寸前。

以前、届出印を無くしたという母に付き添い、そこへ行って再届け出をした時に母は自分の名前も住所も書けなかったのだ。

「どうすればいいんですか?」「私が代わりに書いて良いんですか?」と聞くと、しぶしぶOKだった。本来は駄目なのだ。

 

たぶん、そういう時の為の成年後見人制度があるんだろうけど。

でも、同居の家族が一緒に来ているのにね・・・本当にマニュアル通りの対応する金融機関・・・辟易としていた。

こっちは会社に半休を取って来ているのに・・・クビになったらどうするの・・・。

 

「母は認知症で、ホームへ入居する為の入所金をこの定期預金で賄おうと思っているんです。○月○日までに振り込まないといけないんです。私も働いているのでそうそう休んでこちらに伺う事も出来ません。」と訴えかけるも「お母様ご本人を連れて来てもらわないと駄目です」と。「もしも連れて来れないんだったら、お宅へ伺いましょうか?」と。

「へ?家に来て、「母に定期預金を解約されて、ホームへの入所金にするそうですが間違いないですね?」って聞くんですか?」と私。

「はい。ご本人了承の上でないと、解約も振込も出来かねます。」と銀行。

 

もう、全てがイヤになり・・・投げ出したくなった。

 

じゃあ、私の定期預金を解約して、ひとまずそれを立て替えるってのはどうだろうか?私のだったら文句は無いはず。

期限が決まっているものは期限内に片づけなければならない。

とりあえずそうしよう。

 

でも、母の定期預金を解約する作業は遅かれ早かれしなければいけないことだったから(私の方に返してもらわないと・・・)デイサービスが無い日に、改めて母を連れて来るしかないか・・・と考えた。

 

それから数日後、またまた半休をとり母を銀行へ連れて行った。連れて行く前に歩きながら「色々お金がかかるから、定期預金を解約して普通預金に入れておきたいんだけどいい?」と母に聞くと「いいわよ。」と言った。

窓口で定期預金解約の手続きをする。・・・案の定母は自分の名前を書く事も住所を書くことも出来なかった。

「ほら、言ったじゃないか!」と私は心の中で叫びながら「どうするんですか?私が代わりに書いても良いんですか?」とやり取りがあり、母本人の目の前で「駄目です」とも言えない行員はしぶしぶOKした。

母の定期預金を解約し、それを普通預金に移す。

後は普通預金から1日50万までしか下ろせないがATMで引き出しを何日か繰り返す。・・・そして立て替えていたものを回収した。

ホームへも振込が完了し、後は入所するだけとなった。

 

つづく。