母が脱臼した時に、ぐーんと認知症の症状が進んでしまったこともあり、ケアマネさんからは介護認定を受け直した方が良いと薦められた。
それまで母は2回介護認定を受け、何れも要介護1だった。
介護認定というのは、そもそも身体機能を重要視していて日常生活を送れるのであればあまり重い介護度はつかない。
なので、認知症だけで家族も同居となれば、ある程度日常生活は普通に送れるという見解で要介護1だったと思われる。
それが、排泄問題やら徘徊などが出てきて「母から目が離せない」という状態であることと、本人が脱臼し病院へ連れて行っているということが考慮されて昨年12月に要介護3が認定された。
私達家族は簡単に「あ、じゃぁ、特養の申込みも出来るんだ」程度にしか考えていなかったが、現実はそう甘くはなかった。
母がショートステイに使っている特養・・・入所まで1500人待ち。他も何百人も待ち・・・。
よく、「待機児童が・・・」なんて保育園問題で耳にするが、現実は「待機老人」だって山ほどいる。・・・みんな分かっているのかな?
子供はこれから育っていくけれど、老人はこれから老いていく。これは避けられない現実。
もう、特養という選択肢はほぼ消えていった。
で、3月に母がショートステイへ行ったのと同時に有料介護老人ホームへ兄と見学に行った。
ネットで探し、見学予約を入れた。
2箇所。
条件は、自宅からそう遠くはない同じ区内であること。認知症に手厚い介護をしてくれる所。あまり大規模ではない所。その3つだった。
1箇所目。
これは、私がインターネットで色々探して「ここなら・・・」と思った所。同じ区内で、家から車で20分もあれば行ける。
綺麗で明るくて、入所者の人数も40人前後。24時間看護士が常勤している。
入所金はなかなかの金額だけど、母が自分で蓄えたお金を使えばなんとか賄えそう・・・。月々の費用は年金で賄えるかどうか・・・のギリギリのところ。
部屋の見学をして、説明を聞いた時に担当の人が「他も見学に行かれていますか?」と聞いてきた。
私達は正直に「こちらが初めての施設見学なんです。後でもう1箇所見学をする予定です。」と答えた。
すると、「色々見学されると良いと思います。色々見て聞いてそれからお母様に一番合うと思った所へ決められた方が良いですよ。」と言われた。
決して「他よりもうちが一番いいですよ。」とか「他は××」みたいに決して否定せず、自分の施設を売り込まない姿勢に好感が持てた。
ただ、空いている部屋が1つだけであること。何日後には、次の見学の予約が入っている事。もあり、仮押さえをさせて頂いた。
2箇所目。
これは、自宅から歩いて5分もかからない所。以前から「あ~、ここにもあるんだ・・・」とは知っていたが、あまり人の出入りがなく、「本当に入居者いるのかな???」と思っていた。夜になれば、部屋の明かりが点いていたりはしていたから、入居者がいるのだろうなとは思ったが・・・。
なんとも閉鎖的な雰囲気を私は感じた。
4階建ての建物は、1階は重度の要介護の人・2階は認知症の人・3階は軽度の認知症と自立の人がいるのだそうだ。
それぞれ各階にコミュニケーションスペースがあり、そこで食事をしたりテレビをみたりするらしい。
・・・私達が見学に行ったときに、2階のコミュニケーションスペースには車椅子に座っている入居者が3人いた。
・・・話をするわけでもなく、テレビには「沢田研二」のDVDが流されていたが、誰も見ていない・・・ただ、部屋からその場所に連れてこられて居させられている感がいっぱいだった。
そして、案内をしてくれた館長が「あそこにいる女性は、前は3階にいたの。でも、いじめがあって可哀想で2階に降ろしたの。」と言った。
・・・私はその時点で、「ここは・・・ないな」と思った。
いじめはイヤだ。
母はいじめられないかもしれないけれど、可能性はゼロではない。なんでわざわざそんな所へお金を出して母を預けるのか???選択肢は消えた。
つづく。