ブログネタ:怖い話、教えて!!
参加中
ずっとノックの音がする。
コンコン、コンコン。
いつものことなので僕は無視を決め込むことにした。こんなボロアパートにはありきたりの怪談がつきものだ。
夜中に急にトイレの水が流れたり。
停電でもないのに部屋中の電気が一斉に消えたり。
最初はビビっていた僕だけど、お茶目な同居人がいると思うことにした。
朝、自分のお茶碗ともうひとつ別のお茶碗にご飯をよそって仕事に行く。
帰ってきた僕を待っているのは朝と全く変わらない位置に変わらないままである冷めたご飯だけど、それでも同居人の「イタズラ」の回数は減った。
コンコン、コンコン。
いつもなら十分もすれば止むノックの音が、今日は止まない。
仕方ないので僕は外に出てみることにした。
勿論そこには誰もいない。
ふと、お酒を飲みたい気分になったので一回部屋に戻ってお財布を持って近所のコンビニに向かった。
買ったのは酎ハイを二本。
一本は、最終的には僕が飲むにせよ同居人にあげるつもりで買った。
アパートに戻ると、なんだか騒がしい。覆面パトカーがいっぱい来ている。
「○○号室の住人の方ですか」
「ええ、そうですが」
「連続殺人犯がお隣の部屋に立てこもっています。しばし、安全な場所で待機願えますか」
僕は呆然とした。
…結局犯人は捕まったらしい。けれど、お隣の××さんは首を切られて意識不明の重体なのだそうだ。
これは後から聞いた話だけど、犯人は初め僕の部屋に押し入るつもりだったらしい。
もし僕がコンビニに行こうと思わなかったら、もし僕がノックの音を無視していたら、病院のベッドに横たわっていたのは僕だったかもしれない。
僕は酎ハイの缶を開ける。
一本は、誰もいない机の反対側に置いた。
クスクス女の子の笑い声がする。
今度から、誰かさんのためのもう一本は酎ハイじゃなくてオレンジジュースにしようと思った。
終劇