高校迄、明治~昭和にかけての近代日本の歴史教育が欠落していたので、『神風特攻隊』という言葉を初めて聴いたのは、事もあろうに大学のゼミで、フランス人のエレーヌ・ドゥ・グロート教授の口からでした。
彼女は人文学の教授なので、日本人作家では三島由紀夫が好きであるとか、切腹や神風特攻隊に、美学を感じておられ、情熱的にその魅力を語る姿は今でもよく覚えています。自宅に遊びに行けば床の間には刀に生花が飾ってあって、ご主人も日本人でした。
観術を学び近代の日本史に触れ、機会を見つけて大刀洗平和記念館に行ってみたいと思っていたところ、予定が空いた所に仲間からのお誘いが飛び込んで来ました。
次の瞬間には行くと決め、12時に博多を出て16時の博多での会議に間に合うように行くことができました。
日本には11機のゼロ戦だけが残っているうちの1機が展示されていました。特攻に志願する人たちは、みな文武両道の日本の若いエリートばかりでした。特攻前に家族に宛てた遺書を見ると、年の頃18歳~22歳くらいの若い方がほとんどでした。
手紙を読みながら、僅か20歳前後の若者が、家族や日本、そして日本の未来を残された方々に託して潔く逝くあり方から、その当時の日本人の精神性がいかに高かったかを容易く理解することができました。
敗れて目覚める日本を選択した先人たち。
その顔立ちや表情は、驚くほどにみな清々しく清廉としており、美しかったのです。
今の日本を見たら彼らは何を思うのでしょう?
うつ、自殺、殺人が溢れる日本。五感の欲求を先導され、ただ消費を楽しみ、動物みたいに体の人間本能に振りまわされる日本。
自分から自発的に考えることも出来ず、資本主義社会のプレートにどっぷり浸かって問題意識さえも麻痺している奴隷であるにもかかわらず、未だ自分は中流だと錯覚するほど全体を統観することさえ出来なくなっています。
受け身の日本人。形ばかりで本質を追求する思考を奪われ骨抜きにされている日本。無表情に無関心、死んだ目をして街を歩く日本。エネルギーが腐って病んでいる日本。
こんな人間しか育てられない教育などもういらない‼︎侍を育てた国の人間として、恥ずかしくはないのだろうか?
先人たちの声が耳から離れません。
『私たちはこんな日本を作りたくて、死んだんじゃない!!』と。
ジャパンミッションプロジェクトが始まる前に訪れることができてよかったです。