こんにちは、MLC看護部です。

 

秋の訪れを喜んでいたら、気温の高い日が続くなど季節の変わり目の不安定な気候が続いていますね。皆さまご体調崩されていないでしょうか。

 

さて本日は、当院で胚移植をする際にお願いをしている『尿溜め』についてのお話をしたいと思います。



みなさま、無事胚移植の日程が決まり看護師からオリエンテーションを受ける際にこの尿溜めの話を聞き

『尿溜めってどのくらい溜めたらいいの?』
『前のクリニックはなかったのになんで?』
『失敗したらどうしよう…』
『前にやったことあるけど、あれって良かったのかな…』

など、さまざまな想いを持たれるかと思います。

 

①本日はなぜ尿溜めをお願いしているのか
②どのようにする?目安は?
③失敗したらどうしたらいい?


などお話ししたいと思います。
 

 

 

①なぜ尿溜めをお願いしているのか

 

理由は2つあります。

1つ目は、『子宮の画像を鮮明に映すため』です。
当院の胚移植は経膣エコーでは無く経腹エコーにて行います。

お臍より下の部分にエコーの機械を当てて子宮を映し出します。

その際、膀胱に水分が溜まっていると膀胱が音響窓となり、

その後方にある子宮や卵巣が見えやすくなります。

胚移植は、胚を細いカテーテルに吸い込み、そのカテーテルが子宮のどの位置まで入り、どの辺りに胚を移植するのかが成功のためにも大切な事です。

子宮の画像が鮮明であれば、カテーテルの位置を正確に捉えられます。


2つ目は、『子宮の傾き変えるため』です。
子宮が前屈の方に限りますが、子宮の傾きが強いと膣から子宮の奥にカテーテルを入れる際、角度がきつくカテーテルを挿入する際につっかかったりし、時間を要する事があります。

膀胱に水分が溜まっていると、膀胱に押される様に子宮が背中側に倒れてくれるので角度が緩やかになりカテーテルが挿入しやすくなります。

上記の理由により、当院では尿溜めをお願いしています。

※子宮の傾きによっては尿溜めが不要の方もいらっしゃるのでその場合は看護師からアナウンスさせていただきます。

 

 

 

②具体的にどうやって溜めたらいいの?溜まっている目安ってなに?

手順は以下の通りです。

1:胚移植実施時間の90分〜120分前にトイレに行き、排尿を済ませる
2:排尿を済ませたら水分摂取を始める
  季節や体質によって異なりますが、500ミリリットル前後は飲んで頂くことをお勧めします。

お勧めは『水』か『ノンカフェインのお茶』です。

一気に飲まずに少しづつ飲んでください。

紅茶、コーヒー、糖分の多いジュース類はお控え頂いた方が良いです。

※胚移植の担当医師によって、どのくらい前からトイレを我慢するかは異なりますので詳細は看護師にお尋ね下さい。


目安は?
実施の時間に、「トイレに行きたいけど、まだ我慢出来る!」位の感覚が適切です。

溜めたけど、もう限界!や、水分を飲んだけどまだトイレに行くほどでは無い感覚だと溜めすぎ や 溜まらな過ぎ です。

胚移植の前にSEET法を予定されている方はSEET日を『練習』と捉え、

実施後に医師や看護師に尿溜めの具合についてお尋ね下さい。

 

 

 

③失敗したらどうする?

 

もし、尿溜めする事を忘れてしまっても胚移植がキャンセルになる事はありません。

直前まで頑張って溜めたけど、限界になりトイレで排尿をしてしまったとしても大丈夫です。

今まで、尿溜めをなぜお願いしているかについてお話ししましたが、万が一膀胱が空の状態であっても、エコーのやり方を変えるなどして対応は可能です。

そのため『絶対失敗できない』と考えずにリラックスして緊張せずに胚移植にお越しいただきたいと思います。



長くなりましたがここまでお読みいただきましてありがとうございます。