
音楽を芸術の中における一つのカテゴリとみなした場合、音楽だけが唯一、機能性を持ったり生産性に向かう可能性のある芸術だと思う。それはひとえにリズムやビートがあるから。もっと言うと芸術の中で唯一身体を動かせるような働きを持つのが音楽であって、中でもリズムやビートに比重を置いたロックンロールやダンスミュージックはその特性を最大限活かした芸術の一つであると僕は思う。その意味で言えば音楽は人を動かすことが可能なのだ。文字通り。そしてメロディは感情を刺激して言葉は思想へ導く。かなり大雑把だがこれが若者がロックンロールやダンスミュージックにああも没頭する理由だと思う。
近頃の潮流でチルウェイブなる動きがある。シューゲイザーを思い出させるようなまどろむような音、そして(チルウェイブのバンドそんなにたくさん聴いたことないです、ごめんなさい。ビーチハウス位です。)均一なビート、つまり、ダンスビートをその下地に置いている。非常に矛盾の生じるような音作りをしている訳である。
そしてチルウェイブの開祖とでも呼べばよろしいだろうか、このwashed outなるプロジェクトは全くもってそんな音である。かなりリヴァーブが深く掛けられたヴォーカルに浮遊感漂うシンセ動きを最小限に抑えたベースにそしてダンスビート。クライマックスが一切なく全体的にだらっとしていると書けばゆらゆら帝国の「空洞です」なんかの虚脱感を思い浮かべそうだが、あちらが抵抗しないことでむしろ抵抗していた(あえて抵抗しない)とするならばことらは完全な現実逃避。抵抗する場にすら居合わせないといった感じか。曖昧ですいません。
まあ、色々書きましたが要はどう扱えばいいか全く分からないわけです。少なくともこのアルバムから得られるものはないかな。私の意見ですがこれはビーチハウスのティーンドリームとまったく同じに聞こえます。

