今日は、もうすでに特殊な日だ。
とても行くのを楽しみにしていたカフェがあったのだが、
営業時間を過ぎてしまったとかで、
足を踏み入れることが叶わず、不完全燃焼となっている。
「終わりたくない」
今日に限って、私は、どうしても雑音がする場所で読書がしたい気分なのだ。
ある意味これは、自分の七不思議の一つで、
普段は、自分以外の人や、騒音などからは、
限りなく無縁でいたいと思っているのに、
日が変わると、今度は、
その一人時間が耐え難いものへと変貌し、
一人でいるのが落ち着かなくなる。
そこからは、暴飲暴食か、アニメ鑑賞に走るのが定石化されている。
このままではダメだ、と思っていたその頃、
気になっていたが、入るのを躊躇していたお店が、
帰り道にあるのを思い出した。
建物には、小さく店名らしきものが英語で書かれているだけで、看板やopenと書いている札すらない場所だ。
そんな質素なデザインであるが、
窓越しから見える店内に並べてあるドリンク類や、
並べてある雑誌に不思議と目を奪われてしまう。
毎日のようにそれを見ていたら、いつの間にやら
そのドアを叩いてみたいと思うようになっていた。
そして、今の私は、後味がちょうど悪かったところである。
勇気を出していくことにし、
スライド式のドアを開けようとした時、
ピアノの演奏が流れていたことに気づく。
ドアを開けた瞬間、
ピアノの方から男性がこちらに向かってきたので、
罪悪感に襲われた。
相手の顔は不機嫌一着である。
「お前のような奴は迷惑なんだよ」
とでも言いたそうな顔だ。
何も言わないのは失礼に当たると思って、
私から質問してみる。
「あのー、ここはどうゆう場所なんでしょうか?」、
すると、男は困った顔で
「こちらは一見様はお断りしているんですよ」と、
こちらの問いを一蹴した。
相手を怒らせてしまったと思った私は直ちに、
「藪から棒に押し寄せてしまってすみません」と口で伝え、
その場から撤収することはできたが、
心はそう器用に動かせるものではない。
私に人間関係が向いていないのだとしたら、
何が残るのだろう。