ーー 今日もさっぱり分からない。
なぜ、自分に彼女ができなのか。
学校では、小難しい数学とか、全然将来に役に立たないような、
国語を教えてくれるくせに、
人間関係については、自己責任で、と言わんばかりのご都合主義。
はぁ、と深いため息をつくわけだが、そのため息で閃くものがあった。
それは、もしかしたら、僕はクラスの女子全員と、付き合おうとしていたのではないか、ということである。
言い換えれば、誰とでもとにかく付き合ってみたい、という見方もあるが、、
私は昔からクラスメイトに(あえて迂遠な言い回し)、君って八方美人だとね、とか、誰にでも優しいよね、と言われたことがあった。
スティーブ・ジョブスさんのコネクティング・ザ・ドッツが脳裏を横切る。
なるほど。
つまり、僕はクラスの女子全員と仲良くなって、よかれば裏でこっそり全員と付き合えたらいいな、という邪な考えを持っていたんだ。
我ながら、ゾッとする話である。
学校では、差別はいけないとか、人殺しはよくないとか、馬鹿馬鹿しいとは思いつつ、賛成していたのに、
これがその未来図である。
これは、中身の無いものを、さも意味のありそうな言葉で誤魔化す現代人の悩みなのだろうか。
しかし、依然として、問題はそこにあらず。
なぜ、僕はクラスの女子全員と交際関係になりたいのか、ということである。
しかし、考えてみると、意外に不自然さがない。
だって、私は小さころから転校を繰り返し、人間は見た目ではない、という結論にいたっているし、
誰にでも良いところと、悪いところがあると、理解しているから、それら全てを赤裸々にみてみたいという願望があった。
だがしかし、それはつまり、今日の夕食何がいい?と聞かれて、全て、と言い返すようなものである。
このように考えていたのは、私だけだろうか。
一方では、人を偏見なくみているとも読み取れるし、他方では、ただの野蛮人に写って見えるかもしれない。
みんなは、どんな理由でその人を好きになり、付き合っているのだろう。
小学生に戻った錯覚を覚えつつ、体を見ると現実に舞い戻る。
人生って少し悲しいなとか思っている今日である。