20.January.2017

今年になったばかりの冬、卵巣癌の大規模オフ会
〝22th ovca〟のために、上京しましたときのこと。

金曜の夜友人と食事の約束をしており、
金曜入りで東京なら、早めに行ってどこか展覧会でも行こうかなーと考えていました。(当時休職中のため)

ですが、ふとマギーズ東京の事を思い出し、調べてみると、土日は休みで平日のみ。しかも16時まで。
これはなかなか行くタイミング難しいなぁ。
場所を見ると、丁度滞在するホテルの真ん前から、バス1本じゃないですか!
これは行くしかない!と直ぐに決めました。

こちらは、造園家で造園史家でもあったマギー・K・ジェンクス氏と、その遺志を繋いだ夫で建築評論家のチャールズ・ジェンクス氏によってつくられた、英国発祥のマギーズキャンサーケアリングセンターを、日本にも!の想いで去年の秋にオープンされました。
マギーズセンター、マギーズ東京について

訪れてみたいと思ったきっかけは、もちろんマギーの考えるコンセプト、在り方、にいたく感銘を受けたことと、
それに加え、これも考え方の一部ですが、この施設の空間デザインコンセプトが素晴らしいのです。

美術館のように魅力的であり、教会のようにじっくり考えることができ、病院のように安心でき、家のように帰ってきたいと思える場所。
いずれの建物にも大きな窓があり、外の風景がよく見えるようにしている。
建築とランドスケープが一体的な環境をつくり、患者の不安を軽減するという考え方に基づいている。

・自然光が入って明るい
・安全な(中)庭がある
・空間はオープンである
・執務場からすべて見える
・オープンキッチンがある
・セラピー用の個室がある
・暖炉がある、水槽がある
・一人になれるトイレがある
・280㎡程度
・建築デザインは自由


このように、縛りのための条件ではなく、誰のための場所かが明快な条件の元、英国をはじめ世界各地で広がっています。

Maggie's Tokyo
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画像HPより

Maggie's Edinburgh

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画像HPより

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図面を見ても、緑を大切に考えてらっしゃるのがよくわかりますね!

どの建物も斬新で、特別な素敵な建物です
有名な建築家が携わっていたりします。
黒川紀章先生もそのおひとりでした。

      

「自分を取り戻せるための空間やサポートを」というマギーの念うコンセプトの元、

ガンが特別なことではなく、あたりまえに受け入れられる社会へ。
これにグッとくるのは
ガンが難しい病気だという現状。
ガンが、病気が、病人が、特別な目で見られる現実。
そう感じる自分もまたその目で見てきた日常でありました。


そして、ガン患者になってからも、それを特別なことと捉え、踠き苦しんでいるのかもしれない。
ただそれは、時間とともに日々の体験から随分と受け入れて今を生きています。

あたりまえでないから、途轍もなく孤独で、不安で、自分が自分でない感覚。

『あたりまえ』

今から電話番号を覚えるの無理。
切符って買うの面倒と気づく。
火、薪だったのだものね。
江戸までの道は険しく何日かかったのかしら?

今から思うと途方にくれるようなことだけど、
そのときはそれとしていたのに、
それが当たり前になっていく。

先人の知恵と科学の進歩で未来は変わる。
科学だけではないけれど、未来は大きく変わるのです。
しかも今は物凄いスピードで。

変わってしまう寂しさと、変わっていく素晴らしさ。

そんな未来に想いを寄せながら、今はただただ
この世に生まれてきたのだから、ガンであってもそうでなくても。その人人の歴史が少しでも長く続くことを願って♡

どれだけ生きたかではなく、どう生きるがが大切。
と、ほんとうにそう思うのですが、
やはり、どう生きるかを考え、永く生きたいのです。


「寒かったでしょ?中に入って温かいお茶でもどうぞ」
あの日訪れた際、温かく迎え入れてくださって、
さり気なく、自然に話ができるようにしていただいた心遣いに感謝します

あの日まだまだ友たちの旅立ちを受け入れられず、とても寂しかった。はじめて会った見ず知らずの方ですが、ただ話を聞いてくれて、涙を流させてくれて、寄り添ってくださって。

その優しさや想いは、
ガンであっても、なくても。
とても心に沁みるものでした。

あらためてありがとうございました
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わたしが病気に疾患した時は、マギーズはまだ日本にありませんでした。
わたしが病気を受け入れられず、苦しんでいた時、駆け込んだ場所は、冒頭にもかいてあるovcaミーティングです。この場所があったから前に進めました♡
そんな夏のovcaがもうすぐ開催されます!
↓↓↓

とても、とても、温かい場所です