「あの夏を取り戻せ」というイベントをご存じでしょうか?

 

 

 

2020年の夏。新型コロナウイルスの影響により戦後初めて「全国高等学校選手権大会」 夏の甲子園が中止となりました。甲子園という大舞台で活躍の機会を失った野球仲間を集め、「あの夏」を取り戻すプロジェクトが2023年11月29日~12月1日にかけて行われました。集まった元球児は既に高校を卒業している方々でしたが、甲子園球場をはじめその他球場で精いっぱいに野球の試合を楽しまれたようです。

 

僕自身がもともと野球少年で、毎年夏休みはテレビの前に座り当時の1チャンネルと3チャンネルを行き来していたという事もあり、『当たり前』のように行われていた夏の甲子園が中止となった事に驚きと寂しさを感じた事を、今でも鮮明に覚えています。

 

 

 

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2023年12月25日。防府天満宮(山口県防府市)では「予祝詣」が始まりました。

 

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大予防のために混雑を避けようと始まったこの「予祝詣」 

年が明ける前から参拝が開始されるようなのですが、今年はコロナウイルスが5類となった事もあり例年通りの参拝も実施され、約42万人の人出が見込まれるとの事。

 

 

3が日に初詣を予定している方々からは「『当たり前』のようにお参りできる事がとても幸せ」といった声が多く聞かれているようです。

 

 

 

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新型コロナウイルスが教えてくれた事。それは多くありますが、その中に「『当たり前』の価値」があるのではないでしょうか。

 

 

 

「『当たり前』のように行えていた事」が、実は「『当たり前』ではない」からこそ、そこには大きな価値がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その『当たり前』を取り戻すために、2023年もおたけの郷は日々運営してきました。

 

 

 

新しい事にたくさんチャレンジする事ができた1年でもありました。

 

 

 

2013年に開設して10年が経過。ふと振り返ると、まだまだ成し遂げる事ができていない事はたくさんあり、課題も多くありますが、開設当初から目指している姿はブレる事なく、一緒に働いてくれている職員の皆さんが「ブレずに前を向いている」といった事はとても素敵な事で、僕自身の誇りでもあります。

 

 

 

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終わりに。

 

 

 

少し長くなってしまいますが、僕にとって今年1番の歌の歌詞を。

 

 

 

 

 

竹内まりや 【人生の扉】

 

 

 

 

 

I say it's fun to be 20 

20歳になった時は全てが楽しかったわね。

 

You say it's great to be 30 

あなたは「素晴らしいのは30歳よ」と言うし、
 

And they say it's lovely to be 40 

みんなは「自分を愛おしく思えるのは40歳よ」と言うけど、

 

But feel it's nice to be 50 

でも50歳になるのもいいなって感じてる

 

 

-   中略 -

 

 

I say it's fine to be 60

「元気な60歳になりたいわ」と言ったら、

 

You say it's alright to be 70

あなたは「70歳になっても大丈夫よ」っていうし、

 

And they say still good to be 80

みんなは「80歳になったってまだまだ楽しいわよ」と言うけど、
 

But I'll maybe live over 90

…でも私は90歳を過ぎても生きてくつもりなのよ。

 

 

 

 

君のデニムの青が 褪せてゆくほど味わい増すように

 

長い旅路の果てに 輝く何かが誰にでもあるさ

 

 

 

 

I say it's sad to get weak

歳を重ねて弱っていくのは悲しいことだって言えるのかもね。

 

You say it's hard to get older

あなたも「老いていくのは辛いことよね」って言うし、

 

And they say that life has no meaning

みんなも「人生には何の意味も無いのよ」って言うけど、
 

But I still believe it's worth living

…それでも私は「生きることは価値があること」だって信じているの。

 

 

 

But I still believe it's worth living  …

 

 

 

 

 

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コロナによって失われた年月は、決して取り戻す事はできません。

 

 

 

けれども、それ以上に大切なもの。いつまで経っても変わらないもの。

 

 

 

それは命の価値だよ。失われたものばかりに目を奪われず、今あるものに目を向け、この瞬間から前を向いて歩んでいこう。生きていこう。

 

 

 

目の前の入居者の皆様が『当たり前』の姿に近づいていく事ができるよう頑張ろう。

 

 

 

そんな風に思わせてくれた歌です。

 

 

 

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2023年。

ご入居者様、ご家族様、近隣や関係各所の皆様、一緒に働いてくださっている職員の皆様のおかげで、おたけの郷は運営を進めていく事ができました。心より御礼を申し上げます。

 

 

 

2024年。

変わらず、入居者の皆様にとっての『当たり前』を提供できるよう、職員一同努めてまいります。来年も本年同様、変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

社会福祉法人エンゼル福祉会

おたけの郷 施設長 毛呂征也