傷を負っている女が好きになった。
傍に居たいと思った。
人を救うことによって自分が救われる。
それは言いかえれば自己満足の部類に入るのかもしれない。
それでもいい。
ある作家は文章を書く作業を自己救済へのささやかな試みといった。
それもいい。
動機がどうあれ、この恋が二人を幸せにすればいいし、その本が多くの人の心を動かせばいい。
二人の傷へのささやかな治療の試み。
僕らはそんな恋をしている。
僕らは確実に前に進もうとしている。
そんな気がする 日曜の午後。
この世に偶然はないと思ったわけは、火の三原則から。
熱
燃えるもの
酸素
だから火事だって偶然なんかじゃなく、そこには必然性がある。
そんなわけで僕らが出会ったのも偶然じゃない。
僕らの間には間違いなく必然性があるんだ。
三原則から起こった小さな火も10日以上続く山火事になったりもする。
僕らのこの小さな、そして必然的な出会いも、これから大きく燃え上がるかもしれない。
山火事と比較したせいか、丸裸になって真っ黒になった僕が見えるのは気のせいだろうか。
ねえ、Kちゃん。