オ・ジン先生の公開授業はその後

5年生の生徒たちの武勇伝として

全校中に知れ渡りました


同時に、オ・ジン先生の悪評も知れ渡ったのでした


公開授業の直後
会議室に、校長先生、教頭先生、他の先生方、教育委員会のお偉いさん、PTAの代表が集まって
オ先生に集中砲火を浴びせました

とりわけ、生徒に対する体罰、暴言については
教育委員会の方から厳重に注意されました

PTAの方からは
生徒たちの心のケアを心配する声が上がりました

その中でも、保健室の先生が
生徒の心の傷について、熱弁を振るったようです

「生徒たちは、まだ柔らかい心を持っています
だから、良くも悪くも、言葉をそのまま受け取ってしまいます
言葉は記憶に残ります
そして、その記憶が心に重い石となって残るのです
今回、ユノくんが、どれだけストレスを抱えていたことか
私たち教員が、自分の発言には
責任を持たなければならないことを
省みる良い機会でした」

オ先生は一言も弁解出来ません

「それにしても、生徒たちはよく考えたものですね
たいした子たちだ、あっぱれですよ」

PTA会長のシウォンのお父さんが感心して言いました

「確かに
ユノくんの心の中の石を軽くしたのはクラスメイトたちだったんですね」

チャンミンのお父さんが保健の先生に返しました


オ・ジン先生が項垂れている頃


教室では

「チャンミン、ありがとう」
「シウォン、ありがとう」
「ドンヘ、ありがとう」
「ウニョク、ありがとう」
「シンドン、ありがとう」
「キュヒョン、ありがとう」

ユノが、クラスメイト一人一人ににお礼を言って
ハグしていました

「それにしても、みんなは怖くなかったの?
大勢の人の前で、あんなに堂々と発言して」

ユノが聞くと

「実は、立った時、足がガタガタ震えてたよ」

シウォンが打ち明けました

「うそ〜!
全然そんなふうに見えなかったよ!」

シンドンが驚きました

「そりゃあそうだろ
だってシウォンがトップバッターだったんだから
かなりプレッシャーだったはず
よくやってくれたね、ありがとう」

チャンミンがお礼を言いました

「もうさ、シウォンとチャンミンに続けって思って、勢いで乗り切った感じかな」

ドンヘも頑張りました


「みんながこうして
僕が話す機会を作ってくれたから
だから、許してもらえたんだ
ありがとう!」

ユノが爽やかな笑顔を見せました


「ユノ!
途中まで一緒に帰ろう?」

「え?僕も一緒に帰る!」

「僕も!」
「僕だって!」

みんなで校門をくぐって帰ります




町の人たちに出会うと
ユノはいつものように「ただいま」と挨拶します

その顔は、以前ように
いえ、以前よりも目がキラキラして、愛嬌たっぷりです


ユの湯の前で、ユさんとパクさんが
ユノが通りかかるのを待っていました

「今日は見にきてくれて、ありがとうございました」

ユノがお礼を言いました

「当たり前だよ、俺たちはユノの家族なんだから、な、パクさん!」

「そうそう、この町の人はみんなユノの家族だからな」

ユノの顔の上で
ぱあっと花が開いたかのように
明るく笑うのでした



続きます


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