「チョさん、おはようございます!」

「おはよう、コロ
今日も元気だな、行ってらっしゃい」

「だから、ユノだって!」

いつもの朝の挨拶をしています

「チンさん、おはようございます!」
角の中華屋さんのおじさんに挨拶します

すると大きなお腹を抱えた奥さんも店の外に出てきて
「ユノちゃん、おはよう」
と挨拶してくれました

「帰りにうちに寄ってって
餃子とチャーハンを食べてってよ」
チンさんが誘ってくれました

「わーい!
チンさんのチャーハン大好きなんだ」
喜んでスキップしてます


学校に着いて、教室に入ると
友達一人一人に名前を読んで挨拶します

「おはよう、チャンミン!」

「おはよう、ユノ」

ユノが自分の席に着こうとすると
チャンミンが話しかけます

「ねえ、今度の土曜日にユノの家にお泊まりしても良い?」
可愛い上目遣いで聞きます

「お泊まり?
僕の家で一緒に寝るってこと?」
不思議そうに聞き返します

「うん
どんな感じなのかなって思って」

「うーん、土曜日に一緒に寝て、日曜日はどうするの?
僕、行くところがあるんだけど、一緒に来る?」

「うん、良いよ」
チャンミンはどこで何をするのか、ワクワクします

「じゃあ、良いよ」


そして、約束の土曜日
学校は午前中で終わり

チャンミンの家でお昼ご飯を一緒に食べてから
ユノの家に行くことにしました

チャンミンの家では、お母さんの作ったオムライスが待ってました

彩の良いサラダと、かぼちゃのスープもあります

「わあ!きれいなご飯!
見たことないや
いただきます!」

ユノが一口食べると
「こんな美味しいご飯、食べたことないよ
おばさん、ありがとう!」
キラキラした目で褒めます

チャンミンは誇らしい気持ちになりました

チャンミンのお母さんは料理が得意です

オムライスのケチャップでハートを描くような茶目っ気もあります

「そんなに喜んでくれて嬉しいわ
いつでも食べに来てね」
可愛らしい男の子たちが並んでパクパク食べているのを見て、なんだか幸せな気分なのでした


お昼ご飯を食べ終わると
2人一緒にユノの家に向かいます

顔を合わせる人にユノが挨拶するので
チャンミンは知らない人なのですが
一緒に名前を言って挨拶していきました

ユノはみんなに
「今日はチャンミンが僕の家に泊まるんだよ」
と話して回ります

チンさんの中華屋さんに寄って
チャンミンが泊まりに来る話をしたら
チャーハンと餃子を2人前テイクアウトにしてくれました

町を抜けて、山を少し登ったところにユノの家がありました

小さくて、お世辞にも立派とは言えないお家でしたが
掃除が行き届いていて、居心地は良さそうです

中に入った時
チャンミンは不思議な感覚を覚えました

誰も居ないはずなのに
なんだか誰かいるような、どこかから見られているような、そんな感じ

ぐるっと家の中を観察しています

「チャンミン、いらっしゃい
どうぞ、上がって!」
ユノに言われて
靴を脱いで座敷に上がり、背負ってきたリュックを置きました

リュックには着替えや歯ブラシセットやいつも使っている枕までギュウギュウに詰め込んであります

「何する?」
ユノに聞かれて

「ユノはいつも何してるの?」
逆に聞き返しました

「僕は合気道の稽古だよ
チャンミンは家では何してるの?」

「僕は、本を読んだり、テレビを見たり、ゲームをしたり」
言いながら、この家にはテレビがないことに気がつきました

「本は持ってきたの?」

「うん
でもさ、一緒にいるんだから、一緒に遊ぶのはどうかな?」

「良いよ!
じゃあ、カルタやる?
それともトランプやる?」

「両方やろう!」

こうして
暗くなるまで
ユノとチャンミンは遊んだのでした



続いちゃいます


読んでいただきましてありがとうございました😊