『エラい人にはウソがある』
パオロ・マッツァリーノ
著者は、イタリア生まれの日本文化史研究家、偽作者。
この本は孔子について書かれている。
アジア人ではない著者からみた孔子は、めちゃくちゃおもしろかった。
日本人がいかに、偉人を神格化して何も欠点がない人かのように仕立てるのか、っていうのもなんとなく理解できておもしろかった。
なんなんでしょう、上司をたてて出世するっていうのが体に染みついてるのかもしれないなと思った。
パオロさん曰く、孔子は、
ダメで弱くてダサい、平和主義のおっさんで、芸能人に例えると出川哲朗さんだそうです。
出川さんのこと、ダサいおっさんって言ったら失礼ですね、、、申し訳ございません。
でも、孔子はダメなおっさんだったけれど、弟子たちはリスペクトしていたそう。
パオロさん曰く、
弟子たちは、孔子の非暴力主義を認めて尊敬していたのではないかと。
完璧な人間といえば、イチローさんや大谷翔平さんが頭に浮かぶけど、彼らだって欠点はあるはず。
もしかしたら、完璧な人間に仕立て上げられて、彼らも迷惑してるかもしれない。。
本の中から印象に残った箇所を抜粋
〜努力は必ず報われるなんてウソをこどもに教えるのは、最低な大人です。努力が必ずしも報われないことなんて、スポーツを見ればあからさまにわかるでしょ。優勝できるのはたったひとり、もしくは一チームのみ。あとは全員が敗者です。残酷すぎる現実です。〜
〜孔子のダメな人生は、子どもたちにダメな人への共感の念を呼び起こします。偉人・先人を尊敬しなさいという教育こそが、他者への共感能力のないモンスターを育てるんです。
偉人しか尊敬できないこどもは、偉人でない人間を軽蔑し、ダメで役に立たない人間は排除してもよいとすら考えるようになりかねません。〜
どんな偉業を成し遂げたとしても、その人が完璧な人間ではないのだから、神格化して裸の王様に仕立て上げるのは、その偉業を成し遂げた人にも、周りの人間にもいい影響を与えないので、ゴマスリはほどほどがいいように思われます