『ひとり日和』 青山七恵
第136回芥川賞作品
心地いい言葉だと思った。
青山さんは初めて読んだ。
心地いい言葉と少しサビシイ色が入り混じっていて最後まで一気に読んだ。
母親からは大学に行くように言われながらもそれを拒否して、親戚のおばあちゃんの吟子さんの家に居候する21歳の知寿ちゃん。
吟子さんは71歳。
知寿ちゃんと吟子さんの会話が淡々としているけれどおもしろい。
ジェットコースターのような人生を送る人もいれば、ゆるやかな流れの川のような人生もあり、また台風のような人生もある。
どれも正解はないし不正解もない。
そんなことを言葉じゃなくて、言葉以外で伝えているような吟子さんは、なんとなく好きだ。
一緒に住んでみたいと思った。
「吟子さん。外の世界って、厳しいんだろうね。あたしなんか、すぐ落ちこぼれちゃうんだろうね」
「世界に外も中もないのよ。この世はひとつしかないでしょ」