『エクスタシー』  村上龍


龍さんは、神経を逆撫でする作家だ。

逆撫でされたのに、また読んでしまう。


言葉で、文章で、神経に語りかけてくる。

だから、途中で読むのをやめたいのに、読んでしまう。


龍さんの本は危険だ。

危険という言葉をそのまま受け取ってほしくない。

でも危険だ。


まるでこの小説の中のミヤシタのように、ワタシは危険だとわかっていて龍さんの本を読む。

もう一人のワタシは「危険だ!」と言っている。でもワタシはミヤシタのように、続きを読む。この小説の中のゲームに反応する。


これは、癒しや時間潰しに読む本ではない。


ヤザキ、ケイコ、レイコがミヤシタをゲームに反応させるその様は、通常の人間関係の中で、無意識だとしても誰かが誰かを服従させたりコントロールしたりする、そういう様を連想した。

言葉で相手の反応を瞬時に変える人が、たまにいる。まわりの人をコントロールする。

そういう人がいたとき、もう一人のワタシが言う、近づくな!と。

だから、この小説を読みながら、何度もミヤシタに言った、近づくな!と。

それなのに、ミヤシタは近づき、

ワタシはこの小説に反応し、神経を逆撫でされる。

結局は、ミヤシタと同じだ。

そして、村上龍中毒になる。


読書メモ📝

〜からだは絶対快楽についていけないからね・・・〜


〜「〜(省略)〜だから、反応がすべてなんだ、何かに対する反応がそいつ自身なんだ、〜(省略)


〜強い、弱いってよく言うけど、そんなにいろいろランクとか種類があるもんなんでしょうか?強さの種類とか、

「そんなもんねぇよ、基準は一つだけだ、ヒューマニズムから遠い、その一点だけだ」