心の闇と戦争の夢
『村上龍対談集 存在の耐えがたきサルサ』より
これは、龍さんと15人の方との対談集。
📚龍さんと河合隼雄さんとの対談メモ
🍀河合さんについて
日本の臨床心理学・心理療法の第一人者。
龍さんと河合さんの対談はめちゃくちゃ興味深かった。
📝「完璧に説明がうまいということ」について龍さんからの質問に対して。
「それだけきれいに説明できるということは、ほんとは説明すべき何かを捨てているからです。
物事は全部入れると説明不能になるんですね。」
📝日本人の後ろめたさについて
河合さん
「日本の倫理観とか宗教観は、全部貧しさということを前提にしてきたんです。それが、いま金持ちになっちゃうと、支えがいっぺんになくなってしまったかんですね。それがいま言っておられる「後ろめたさ」につながるのでしょうね。」
後ろめたさを感じるのはなぜなんだろう?
後ろめたさをブチ破る何かが出てこないと、ずーっと後ろめたさを感じながら生きるんだろうか?
📝会話について
河合さん
「先生の想定していないことを尋ねると、「そんなこと聞くな」と怒られるでしょう。反対にふだんから素直で、当てられると先生が思っている通りに答える生徒は褒められるわけです。」
龍さん
「日本語で行われる会話やコミュニケーションの自明性を信用できなくなっているんだと思います。」
これはめちゃくちゃ共感。
会話って、一種のコミュニケーションのフリだから、つまらなく感じていた。
議論をするのを嫌う社会があるのも、その一つなんだろう。
会社の会議とかも、もはや議論する場ではなくなってきていて、主催者のほしい言葉を言うだけの会議が多くて、心の中で毒を吐くワタシがいる。
想定できないことに対する嫌悪感は、わからなくもないけど、世界が狭くなるんだろうな。。
説明が上手なのも、どこかウソくさく感じるのはワタシだけ?
📝河合さん
「テレビの影響力はすごいですね。下手すると、生まれたときからペンキを塗られて武装しているから、心の地の肌が自分でもわからなくなっているという感じですね。」
心の地の肌をわかっている人は少ないと思う。ワタシもわからない。
たぶん、子供の時、まだ学校に行き出す前のときのほうが自分の心の地の肌をわかっていた気がする。
なんとなくだけど。
だから、子供のとき感じていた感覚を思い出して、それを大事にしていきたいと思う。