『村上龍対談集  存在の耐えがたきサルサ』〜柄谷行人さん編〜

 

 

 

これは、龍さんと15人の方との対談集。

 

📚龍さんと柄谷行人さんとの対談メモ

 

🍀柄谷行人さんについて

  批評家。69年「意識と自然ー漱石試論」  で群像新人賞受賞。

 

この対談の前に中上さんが亡くなられたようで、中上さんについて話す場面がある。中上さんへの龍さんの思いはせつない。

 

 

📝「この作品で何を言いたかったんですか」と聞かれるときに龍さんが思っていること。

 

 

(省略)自分の中に情報があって、僕が言葉を発明したわけじゃないんだから、それをみんなが使う言葉の組み合わせで、組み合わせ方は厳密で抑制されてなければいけないけれど、その情報をより正直に伝えようとしているだけだって、ハッと気づいたんです。

龍さんは『地の文と会話が、なんか嘘くさくてしょうがない」と言っていたけれど、

何かを言いたくて小説を書いているわけじゃなくって、その書いたものに意味をもたせようとすると嘘くさいと、、、

それはわかる気もするし、

反対に自分の中に意味をもたせようとしてしまう面もあるのもわかる。

 

だって、意味をもたせたほうが楽だから。

 

意味がないもの→わからない→不安 になるから、何かに意味をもたせようとするんじゃないか?

 

 

 

📝柄谷さんが龍さんに思うこと

 

 

〜僕からいうと、君は非常に誤解されている人だということがわかってきた。君自身が誤解されるようにふるまっているからね。例えば、変だと思うのは、君の作品が英語にもフランス語にもたくさん、他の誰よりも訳されているのに、日本人がそれを知らないことですね。考えてみると、君自身がそのことを少しも言わない。

 

柄谷さんのことは知らなかったけれど、龍さんとの対談の中で感じたのは、とてもピュアな方なんだと思った。

おそらく第一印象はクールだけれどピュアで熱い方。

そんな気がした。

そして柄谷さんと話す龍さんは子供みたいだった。

 

龍さんも柄谷さんに「誤解されやすい」って言われていたけれど、ときどき周りの人とか見ていても「誤解されやすい」人がいる。

そういう人って、一見、器用で単純に見えるんだけど、実は不器用で複雑な人が多い気がする。

その反対だったら、例えば、不器用で複雑そうに見えるのに、実は器用で単純だったら、誤解されないのに。。。

 

でも「誤解されやすい」から、他の人とは違う視点を持っていて、その視点がおもしろいから、たぶん、ワタシは村上龍中毒なんだろうな、と思った。